店舗ごとの売上や客数を集めて、1つの表にまとめる。届いていない店舗に連絡し、形式のそろわないファイルを手で直す。フランチャイズ本部の経営企画やSV(スーパーバイザー:店舗を回って運営を支える担当)の方から、よく伺うお悩みです。
先週の数字、まだ届いてない店舗があるな…
表がそろうまで、店舗との話が進まない
本部の共通システムを入れていても、その外側には、数字を集めて表にする作業や、報告書を書く作業が残っています。その分、SVが店舗の相談に乗る時間が削られます。
この記事では、店舗の数字集めをAIに任せて、改善案まで出す方法を説明します。加盟店に「監視ではない」と伝えるための線引きも、あわせてまとめました。
この記事のポイント
- フランチャイズ本部のAI活用は、店舗の数字を人が集める作業をなくすところから始めると、効果が見えやすい
- 本部の共通システムにある機能は作らず、その外に残っている集計・報告書づくりの手作業だけをAIに任せる
- 本部が見る数字と見ない情報を先に決め、加盟店に「監視の道具ではない」と伝えてから始める
フランチャイズ本部のAI活用は、店舗の数字集めをなくすところから
フランチャイズ本部のAI活用は、店舗ごとの数字が自動で1つの画面に集まり、改善案まで出てくる形から始めます。数字を集める作業は毎週くり返すので、減った時間を数えやすく、効果が見えやすい仕事です。
集める時間が減った分、SVは店舗と話す時間を増やせます。本部と加盟店が同じ画面の同じ数字を見て話せるようになると、改善の相談が早く進みます。
本部の共通システムの外に残る手作業
多くのフランチャイズ本部は、レジや会員管理などの共通システムを加盟店に提供しています。それでも、共通システムから数字を取り出して表にまとめる作業は、人の手に残りがちです。報告書を書く作業も同じです。
| 担当 | 残りやすい手作業 | 時間がかかる理由 |
|---|---|---|
| 本部の経営企画 | 店舗ごとの数字を集めて、1つの表にまとめる | 店舗から届くファイルの形式がそろわず、手で直す |
| 本部の経営企画 | 週ごと・月ごとの報告書を作る | 表から数字を書き写し、増減の理由を書き足す |
| SV | 店舗を訪ねる前の準備 | その店舗の数字の動きを、自分で表から探す |
| 加盟店 | 本部への報告 | 共通システムにない数字を、別の表に入力して送る |
フィットネスのフランチャイズ本部とのご相談でも、店舗ごとの数字を本部がファイルで1つずつ集めている、というお話でした。AIを使うときは、共通システムにある機能は作らず、その外に残っている手作業だけを対象にするのが基本です。
住宅・不動産のフランチャイズ加盟店網へのご提案でも、本部の共通システムと重なる部分は作らない方針をお示ししました。仕組みが重ならないので、本部も加盟店も「今のシステムはどうなるのか」で迷わずに済みます。
店舗別の分析画面で、数字を取りに行く作業をなくす
数字を集める作業をなくすには、数字が今ある場所にAIが読み取りだけでつなぐ形にします。共通システムや店舗から届くファイルが、その場所です。データを新しい場所に移したり、加盟店に新しい入力をお願いしたりする必要はありません。
店舗の数字から、改善案ができるまで(イメージ)
- 店舗ごとの売上・客数
- 会員の入会・退会・来店
- 加盟店からの報告
- 店舗別の分析画面
- 数字が大きく動いた店舗
- 改善案の下書き
当社が構築したフランチャイズ本部の仕組みでは、店舗別の分析ダッシュボード(店舗の数字をまとめて見る画面)を作りました。本部の担当者が数字を取りに行く作業をなくし、改善案まで自動で出す形です。数字を集める時間は、月150時間から月15時間に減る見込みです。
フランチャイズ本部での構築例
削減した時間を人数や回収期間に直す考え方は、次の記事で詳しく説明しています。
詳しく解説した記事コラムAI導入の費用対効果の考え方|時間・品質・機会の3つで測るAI導入の費用対効果は、空いた時間だけでなく、品質と、増やせる仕事(機会)の3つで測ります。効果の測り方、試算を見込みと…画面の項目は、本部の仕事の流れに合わせて当社が設計・構築します。たとえば、SVが店舗を訪ねる前に開く画面は、次のような形です。
SVが店舗を訪ねる前に開く画面(イメージ)
店舗別の分析
- 店舗:これから訪ねる店舗
- 期間:先月と、その前の月
- 売上・客数・会員数の動き(前の月や似た店舗との比較)
- 数字が動いた理由の候補と、根拠になった数字
- 店舗と話すときの改善案の下書き
経営・本部での集計と分析の使い方は、マスターブレインの活用方法でも紹介しています。
改善案まで出し、加盟店と同じ数字で話す
数字が集まっても、SVにはまだ仕事が残っています。数字が動いた店舗を見つけ、理由を考え、店舗にどんな手を打ってもらうかを決める必要があります。AIには、この中の数字の比較と、改善案の下書きまでを任せます。
店舗の改善での、AIと本部の受け持ち
- 店舗ごとの数字を集めて、週ごとに集計する
- 前の月や似た店舗と比べ、大きく動いた数字を知らせる
- 数字が動いた理由の候補と、改善案の下書きを出す
- 本部の報告書の下書きを作る
- どの改善案を、どの店舗に勧めるか
- 店舗の事情を聞いて、案を直す
- 加盟店のオーナーとの話し合い
フィットネスのフランチャイズ本部とのご相談では、退会しそうな会員の兆しを見つける使い方も話題になりました。入会・退会・来店の数字から兆しを見つけ、店舗ごとのフォローにつなげる形です。改善案の下書きはAIが出し、店舗に勧めるかどうかはSVが決めると分けておくと、店舗の事情を知る人の判断が生きます。
加盟店のオーナーにも、自分の店舗の画面を見てもらえるようにできます。本部と加盟店が同じ数字を見ていれば、「どの数字の話か」をそろえる時間が要らなくなります。オーナーが見られる範囲は、自分の店舗の数字だけにする、といった線引きを本部と一緒に決めます。
あわせて読みたいコラム通販・ECのAI活用|メール対応・データ分析・社内ファイル検索から始める通販・ECのAI活用は、件数の多いメール対応、社員が自分で聞けるデータ分析、過去の資料や画像の検索から始めると効果を確か…「監視ではないか」という加盟店の不安に、先に線を引く
店舗の数字が本部に自動で集まると、加盟店やスタッフから「本部に全部見られるのでは」という声が出ることがあります。始める前に、本部が見るものと見ないものを決めて、加盟店に伝えておきます。
| 区分 | 対象の例 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 本部が見る | 売上・客数・会員数など、店舗の運営の数字 | SVが店舗の相談に乗るための材料として使う |
| 本部が見ない | スタッフ同士のやりとり、雑談、私用の連絡 | AIに読み込ませない |
| 加盟店と決めてから扱う | スタッフ一人ひとりの数字、店舗の手書きのメモ | 扱うかどうか、誰が見るかを加盟店と決める |
この仕組みの目的は、SVが店舗の相談に乗るための材料をそろえることです。店舗の人を見張るために使うことはしません。最初にそう言い切れる線引きがあると、加盟店のスタッフも安心して使い始められます。
もう1つ大切なのは、加盟店に新しい入力作業を足さないことです。数字はすでにある場所からAIが読み取るので、店舗の仕事は今までと変わりません。部署や役職ごとに見られる範囲を分け、誰が・いつ・何を聞いたかの記録も社内に残します。

1店舗の結果を見せてから、ほかの店舗へ広げる
最初から全店舗・すべての数字を対象にすると、確かめることが多すぎて進みません。当社では、いちばん時間がかかっている仕事を1つ選び、減った時間を数字で確かめてから広げる進め方をとっています。
店舗の数字集めから始めて広げる4ステップ
- 選ぶ週ごとの店舗集計など、いちばん時間がかかる仕事を1つ選び、今かかっている時間を測る
- 一部の店舗で試す手を挙げてくれた店舗で画面を使い、集計した数字が合っているかを確かめる
- 時間を比べる集計にかかる時間と、SVが店舗と話す時間を、始める前と比べる
- ほかの店舗へ広げる試した店舗の結果を見せながら、対象の店舗を増やす
住宅・不動産のフランチャイズ加盟店網へのご提案でも、手を挙げた1店舗で始める順番をお示ししました。その店舗の数字を持って、ほかの店舗に広げていきます。フランチャイズでは、1店舗で出た結果を見せてから広げると、本部と加盟店の両方が判断しやすくなります。
広げるかどうかを数字で判断できるように、当社では、支援を始める前に、空いた時間を何に使うかと、成果をどの数字で確かめるかを、本部の方と一緒に決めます。空いた時間の使い道は、たとえばSVが店舗を訪ねる回数を増やす、といったものです。進め方はマスターブレインの導入支援で紹介しています。
マスターブレインを活用したフランチャイズ本部の数字管理
マスターブレインは、会社にあるさまざまな情報・業務知識・判断基準を整理し、必要な場面で活用できるように設計する、会社専用のAI基盤です。
店舗の数字や加盟店からの報告を今ある場所のまま集めて整理し、本部・SV・加盟店ごとに見られる範囲を分けます。AIが出す改善案は下書きで、どの店舗に何を勧めるかはSVが決めます。集める・整理する・守る・参照して判断する・人が確かめる、の5つの層はマスターブレインの仕組みで紹介しています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
店舗の数字集めに、毎週何時間かけていますか?
マスターブレインは、会社のデータ・記録・担当者の判断基準を整理し、業務ごとの専用画面から使える会社専用のAI基盤です。まずはサービス概要資料で全体像をつかむか、御社の業務で相談するかをお選びください。
- 仕組みと、5つの層の役割
- 業務別の活用例と構築実績
- 導入の進め方と、費用の決まり方
- 説明より先に、動くデモをお見せします
- データが整理されていなくても大丈夫です
- 2営業日以内に担当者からご連絡します
これまでの構築実績から
- 100%検証208問の正答率地域医師会のチャットボット
- 約1/10書類作成時間訪問介護・障害福祉の事業者
- 35分→3分図面から見積まで建設資材のレンタル
この記事の監修者

AIを活用したシステム開発・業務自動化の専門家。システム開発に10年携わり、GPT-3.5の頃から生成AIを実際の業務に取り入れてきた。基幹システムの刷新から業界に特化したAIサービスまで、本番で動くシステムを設計・構築している。
- AIで業務を効率化し、社員20人で10個以上のサービスを運営
- 教育の流れをAIで自動化し、未経験の5人を3か月で開発者として戦力化
主な登壇
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