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AI導入支援を頼むときの期間と進め方|最初の診断で決めること

AI導入支援の最初の診断で何をして何が決まるのか、診断の期間が延びる要素と縮む要素、依頼する前に用意しておく書類や社内の決まりを、当社の進め方とあわせて説明します。

AI導入支援を頼むときの期間と進め方|最初の診断で決めること

DX支援やAI導入支援を頼もうと支援会社を比べると、どの会社も「まずは現状の診断から」と言います。けれど、その診断にどれくらいかかり、終わったときに何が決まっているのかは、なかなか分かりません。ご相談の中でも、こうした声をよく伺います。

最初の診断って、どれくらいかかるんですか?

診てもらう業務を1つに絞れば、早く終わるよ

診断の長さは、何を診てもらうかで大きく変わります。

最初の診断は、支援会社によって「現状把握」「業務の棚卸し」などと呼び名が違い、中身も期間も会社ごとに違います。この記事では、最初の診断で何をして何が決まるのか、診断の期間が延びる要素と縮む要素、依頼する前に用意しておくものを説明します。

この記事のポイント

  • 最初の診断では、困っている業務と、その業務で使っているデータを伺い、最初に取り組む業務を1つ決める。空く時間の試算と進め方の見通しも、ここで出る
  • 診断の期間は、対象の業務を絞れているか、業務を知る人と決める人が早くから関わるか、社内でAIを使うための手続きがどれだけあるかで変わる
  • 準備がなくても相談はできる。時間がかかっている業務の名前と件数、実際の書類、社内の決まりをそろえておくと、診断で話が具体的になる

最初の診断は、最初に取り組む業務を1つ決めるまで

AI導入支援の最初の診断で目指すのは、困っている業務と、その業務で使っているデータを伺い、最初に取り組む業務を1つ決めることです。当社の場合は、1時間程度お話を伺うところから始めます。そのうえで、空く時間の試算と進め方の見通しをお示しし、お見積りに進みます。

試算と見通しがまとまるまでの期間は、対象の業務の数、データの状態、社内の確認の手続きで変わります。診断の費用の扱いは会社ごとに違うので、申し込む前に、費用の有無と診断の後に受け取れるものを確かめておきましょう。対象の業務を1つに絞って相談すると、診断は短く済み、次に進むかどうかも早く決められます。

最初の診断ですること

当社では、最初の診断を「業務の棚卸し」(今の仕事と、かかっている時間を書き出すこと)と呼んでいます。することは大きく4つです。どれも、今の仕事の進み方を知り、AIに任せる範囲を決めるための作業です。

最初の診断の流れ

  1. 伺う困っている業務と普段の仕事の流れを伺い、どこで探す・聞く・待つが起きているかを確かめる
  2. 見るその業務で使っている書類・記録・システムを今ある形のまま見て、AIに使えるデータの場所を確かめる
  3. 選ぶいちばん効果が出る業務を1つ選び、最初に取り組む業務を決める
  4. 試算する1件にかかる時間と月の件数から空く時間を見積もり、進めるかどうかを判断する材料をそろえる

当社では、最初に動くものをお見せします。専用画面のデモを見ながら、AIに任せる範囲と人が確かめる範囲を話し合います。動くものを見てから決めていただくと、頼んだ後に「思っていたものと違う」となるのを防げます。

この段階で、データを整理し直していただく必要はありません。全社のデータがそろうのを待たずに、最初の業務で使うデータから状態を確かめます。当社のセミナー「製造業の『見えない製造ライン』をカイゼンする」でも、全社のデータがそろうのを待たずに始められるとお伝えしました。

最初の診断で決まることと、その後に決めること

最初の診断が終わった時点で決まっているのは、どの業務から始めるかと、その業務でどれだけ時間が空きそうかです。AIに読ませるデータの範囲や、専用画面の中身は、その後の段階で決めていきます。

最初の診断で伺うことと、決まること

伺うこと
  • 困っている業務と月の件数
  • 使っている書類・記録・システム
  • 社内の決まりと、社外に出せない情報
  • 確認と承認をする人
最初の診断業務を1つに絞り、空く時間を見積もる
決まること
  • 最初に取り組む業務
  • 空く時間の試算
  • 進め方の見通し
  • お見積りの前提

診断の段階ですべてを決めようとすると、かえって長引きます。決める時期を分けておくと、診断は短く済みます。

決めること決める時期この時期に決める理由
最初に取り組む業務最初の診断対象が決まらないと、試算も見積もりもできない
空く時間の試算最初の診断進めるかどうかを判断する材料になる
空いた時間の使い道と、成果を確かめる数字支援を始める前決めておかないと、効果が数字にならない
AIに読ませるデータの範囲過去の書類や記録を取り込む段階実際のデータを見ながら決めるほうが確実
専用画面の中身現場で試す段階現場の人に触ってもらい、直しながら決める
次に広げる業務効果を測る段階削減できた時間を確かめてから決める

診断で出す空く時間の数字は、あくまで試算です。始めるときには、お客さまの実際の件数と時間を入れて計算し直します。当社では、支援を始める前に、空いた時間を何に使うか、成果をどの数字(KPI)で確かめるかまで、お客さまと一緒に決めます。

診断の期間が延びる要素と、縮む要素

最初の診断にかかる期間は、支援会社のやり方だけでなく、依頼する側の状況でも変わります。長引きやすい状態と、早く進む状態を並べました。

診断が長引きやすい状態と、早く進む状態

長引きやすい状態
  • 対象の業務が決まらず、全社の業務を一度に見ようとする
  • 業務を知る人が同席せず、聞き直しが続く
  • 決める人が最後まで関わらず、社内で説明をやり直す
  • 社内でAIを使うための手続きを、後から確かめ始める
早く進む状態
  • いちばん時間がかかっている業務を1つに絞っている
  • 業務を知る担当者が、最初の場に同席している
  • 決める人が、試算と見通しを説明する場に加わる
  • 社内の決まりと確認の手続きを、最初に共有している

いちばん大きいのは、対象の広さです。最初から全社の業務を見ようとすると、部署ごとに聞き取りが必要になり、試算も部署の数だけ増えます。当社では、いちばん重い業務を1つ選んで始め、削減できた時間を数字で確かめてから次の業務へ広げています。

見落とされやすいのが、社内でAIを使うための手続きです。放送・メディアの会社へのご提案は、1つの部署で2つの仕事を試す内容でした。企画書のたたき台づくりと、週報などの数字の資料づくりです。

この会社では社内でAIを使うのに届出が必要で、手続きの手間からあきらめる人も多い状態でした。そこで、届出に添える書類は当社側で用意するご提案にしました。つなぐ先と権限の一覧、データの扱い、想定されるリスクと対応などです。

社内の手続きを最初の診断の時点で確かめておくと、書類の準備を早めに始められ、後から手続き待ちで止まるのを防げます。届出や稟議に添える書類の書き方は、AI導入の社内稟議を通すにはで説明しています。

情報システム部門やセキュリティの担当の方の確認が必要な場合は、当社の技術の責任者が直接お話しします。担当の方どうしで直接話すと、質問と回答を人づてに往復させる時間が減ります。

最初の診断の前に用意しておくもの

当社への相談に、事前の準備は必要ありません。仕様や予算が決まっていなくても、困っている場面を伺うところから一緒に整理します。そのうえで、次のものが手元にあると、最初の診断で話が具体的になり、最初に取り組む業務が早く決まります。

最初の診断の前にそろえておくと話が早いもの

  • 時間がかかっている業務の名前と、1か月のおおよその件数
  • その業務で実際に使った書類を何件か(たとえば最近の見積書や報告書)
  • その業務で見ている記録やシステムの名前と、置き場所
  • AIに読ませたくない情報と、社内のAI利用の決まり
  • 最初の場に同席できる、業務を知る担当者
  • うまくいったら、空いた時間を何に使いたいか

実際の書類があると、どこに時間がかかっているかを、その場で具体的に確かめられます。AIに読ませたくない情報は、決算や人事の評価のように、一般の社員が見てはいけない情報です。読ませない情報が最初に分かっていれば、読み込ませない線引きを入れたうえで試算と見通しを出せます。

部署が多い会社では、業務を事前に書き出していただくと、棚卸しが早く進みます。卸売の会社へのご提案は、見積を作れるのが一部の社員だけという悩みを受けて、部署ごとにAIを使う順番を決める内容でした。最初に部署ごとの聞き取り用紙をお渡しし、見積の作り方や決まった形のメールなどを書き出していただく進め方をご提案しました。

支援が始まると、業務を知る担当者・ルールを確認する方・使い続ける担当者の3つの役割をお願いします(導入支援の進め方)。最初の診断の段階で、誰にお願いできそうかを考えておくと、その後の段階にもすぐに進めます。依頼する前に社内で決めておくこと(対象業務・使うデータ・確認する人・運用)は、次の記事で説明しています。

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診断の後の進み方と、支援会社に確かめること

最初の診断で業務が決まった後は、次の段階で進みます。全体の期間は、作る仕組みの規模や、出したい書類・画面の機能によって変わります。各段階で、その時点で何が見えているかを確かめながら進めます。

当社の導入の進み方

  1. ご相談どの業務から始めるかを決める困っている業務と普段使っているデータを伺い、いちばん効果が出る業務を一緒に選ぶ。最初に取り組む業務と、空く時間の試算が見える
  2. ステップ1情報が集まる仕組みをつくる過去の書類や記録を取り込み、AIに読ませる範囲を決める。過去の案件や書類を、条件で呼び出せるようになる
  3. ステップ2専用画面をつくり、現場で試す最初の業務の専用画面を、現場の方に実際に触っていただく。最初のたたき台が出てくる
  4. ステップ3使いながら、御社の型に合わせる現場で直した点を反映する。御社のやり方に沿った書類や回答が、安定して出るようになる
  5. ステップ4全員が使える状態にし、効果を測る担当の方全員が使える状態にし、削減できた時間を数字で確かめる。次に取り組む業務を決める材料がそろう

次の業務へ広げるかどうかは、削減できた時間の結果を見てから判断していただけます。支援会社を比べるときは、最初の診断について次の点を聞いておくと、会社ごとの違いが分かりやすくなります。

聞いておくこと確かめる理由
診断で何を伺い、何を受け取れるか診断の後に、最初の業務と試算が手元に残るかが分かる
診断から試算・提案までの進み方社内で検討する日程を組みやすくなる
診断に費用がかかるかどうか申し込む前に、社内の決裁が必要かどうかが分かる
1つの業務に絞った診断ができるか全社を見る診断だけだと、始めるまでが長くなりやすい
動く画面を見てから決められるか説明だけで決めると、頼んだ後の食い違いが起きやすい
診断の後の費用が、何によって変わるか見積もりを比べるときの物差しになる

そもそも、どの種類の支援会社に頼むかで迷っている場合は、次の記事で整理しています。

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診断の後の導入の費用は、当社の場合、対象業務の範囲、既存の環境とのつなぎ方、確認と運用の進め方の3つで変わります。費用の内訳と、費用が変わる要素は、次の記事で詳しく説明しています。

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マスターブレインを活用した導入の進め方

マスターブレインは、会社にあるさまざまな情報・業務知識・判断基準を整理し、必要な場面で活用できるように設計する、会社専用のAI基盤です。

導入は、最初の診断で選んだ1つの業務から始めます。当社が業務の流れに合わせて専用画面を設計・構築し、現場で使いながら御社のやり方に合わせます。1つの業務で整理した情報はほかの業務でも使えるので、効果を確かめてから次の業務へ広げられます(マスターブレインの仕組み)。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

最初に診てほしい業務は、どれですか?

マスターブレインは、会社のデータ・記録・担当者の判断基準を整理し、業務ごとの専用画面から使える会社専用のAI基盤です。まずはサービス概要資料で全体像をつかむか、御社の業務で相談するかをお選びください。

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  • 仕組みと、5つの層の役割
  • 業務別の活用例と構築実績
  • 導入の進め方と、費用の決まり方
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この記事の監修者

吉川 遼
吉川 遼よしかわ りょう株式会社 JAPAN SOLUTIONS CAIO(最高AI責任者)/ソフトウェア開発会社 CTO

AIを活用したシステム開発・業務自動化の専門家。システム開発に10年携わり、GPT-3.5の頃から生成AIを実際の業務に取り入れてきた。基幹システムの刷新から業界に特化したAIサービスまで、本番で動くシステムを設計・構築している。

  • AIで業務を効率化し、社員20人で10個以上のサービスを運営
  • 教育の流れをAIで自動化し、未経験の5人を3か月で開発者として戦力化

主な登壇

執筆:ジャパンソリューションズ 編集部|運営会社について ↗

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