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Kimi K3.1 Proとは?モデル本体を公開する高性能AIと、会社で使う前の注意

Moonshot AIが新しいモデル「Kimi K3.1 Pro」を発表しました。使える場所、前のモデルKimi K3との違い、会社で使う前に確かめるデータの扱いを説明します。

Kimi K3.1 Proとは?モデル本体を公開する高性能AIと、会社で使う前の注意

2026年10月24日、AI企業のMoonshot AIは、新しいAIモデル「Kimi K3.1 Pro」を発表しました。同社のサービスで使えるほか、モデル本体を11月4日までに公開するとしています。モデル本体とは、AIが学習で身につけた数値のかたまりのことで、専門用語では「重み」と呼ばれます。

モデル本体が公開されたAIは、ダウンロードして、自社で管理する環境で動かすこともできます。AIを選ぶ立場の方にとっては、選択肢が1つ増える話です。この記事では、発表された内容、前のモデル「Kimi K3」との違い、会社で使う前に確かめるデータの扱いを説明します。

新しいAI、社内の資料で試していいですか?

その前に、データの保存先を確かめよう

新しいAIを試す前に、入れたデータの扱いを確かめておきます。

この記事のポイント

  • Kimi K3.1 Proは、Moonshot AIが前のモデルKimi K3をもとに追加の学習を重ねたモデル。発表ではプログラミング・3Dの制作・金融の調査で力が上がったとしている
  • 同社のサイト・アプリ・APIで使えるほか、モデル本体を2026年11月4日までに公開する予定
  • Kimiのサイト・アプリなどのプライバシーポリシーには、入れた内容をモデルの学習に使うことがあると書かれている。会社で使う前に、契約と設定でデータの扱いを確かめる

プログラミングや金融の調査の力を上げ、モデル本体を公開する予定のAI

Kimi K3.1 Proは、7月に出た前のモデルKimi K3をもとに、追加の学習を大きく増やしたモデルです。Moonshot AIの発表によると、プログラミング、3Dの制作、金融の調査と分析などで、前のモデルより良い結果が出ています。一度に読める量は、前のモデルと同じ100万トークンです(トークンは、AIが文章を数える単位です)。

大きな特徴は、モデル本体を公開する予定であることです。公開されると、会社が自分で管理する環境でモデルを動かす、という選び方もできるようになります。一方で、同社のサイトやアプリで使う場合は、入れたデータの扱いを先に確かめる必要があります。

発表された内容:使える場所と、モデル本体を公開する予定

Moonshot AIの発表によると、Kimi K3.1 Proは「K3.1」という新しいシリーズの最初のモデルです。同社がこれまでに出した、モデル本体を公開している約3兆パラメーター級(パラメーターは、学習で身につけた数値の数)のモデルの中で、最も高性能なモデルとしています。あわせて、Kimi K3.1 Proの2〜3倍の速さで答える「Kimi K3.1 Pro Highspeed」も出しました。

同社の発表では、プログラミングや知識を使う仕事などの評価で、モデル本体を公開していないモデルのうち最も高性能なものと同じくらいか、それに近い結果だったとしています。使える場所は、同社の発表で次の4つが挙げられています。

Kimi K3.1 Proを使える場所(公式の発表から)

  • Kimi.aiとスマホのアプリサイトのほか、iOS・Android・HarmonyOSのアプリで使える
  • Kimi WorkWindowsとApple製チップのMacで動くパソコン用アプリ(3.1.0以降)
  • Kimi Codeターミナル(コマンドを打つ画面)で動かす、プログラムを書くための道具。「/model」の指示でモデルを選ぶ
  • Kimi API自社のシステムから呼び出して使う。データを保存しない扱いを選べる

会社向けの「Kimi Enterprise」では、管理者が組織で使えるように設定します。発表の時点では、初期の設定で使えない状態になっています。モデル本体は、2026年11月4日までに公開するとしています。

同社は、公開するモデル本体について、サイバー攻撃に関わるデータを学習から取り除いたと説明しています。悪用されるおそれを下げるためです。なお、発表には、提供する国や地域についての記載はありません。

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これまでとの違い:前のモデルKimi K3と比べて分かること

前のモデルKimi K3は、2026年7月16日に発表されました。Moonshot AIは、この大きさでモデル本体を公開するものとしては世界で初めてだと説明していました。2つのモデルを、それぞれの発表ページから比べると、次のようになります。

比べる項目Kimi K3Kimi K3.1 Pro
発表日2026年7月16日2026年10月24日
どんなモデルか2.8兆パラメーター(学習で身につけた数値の数)のモデル。画像を読む力を備えるKimi K3をもとに、追加の学習を大きく増やしたモデル
一度に読める量100万トークン100万トークン
発表で強調した仕事長い時間かかるプログラミング、知識を使う仕事、推論プログラミング、3Dの制作、金融の調査と分析
速さを重視した種類発表ページには記載なしKimi K3.1 Pro Highspeed(2〜3倍の速さ)
モデル本体の公開発表の時点で「2026年7月27日までに公開」としていた2026年11月4日までに公開する予定

仕事に関わる違いとして、同社は事実の誤りが減ったことを挙げています。誤りが出やすいように作った同社の質問で試したところ、答えの中の主張のうち誤りだった割合が、Kimi K3の23.4%から8.3%に下がったと発表しています。

ただし同社は、この割合は普段の使い方での誤りの割合ではないと断っています。誤りが減っても、数字や事実は人が元の資料で確かめる必要があります。

仕事での使いどころと、使う前に確かめること

以下は説明のための例です。経営企画の担当者が、取引を考えている会社の公開している決算資料を数年分読ませ、売上と利益の推移を表にまとめてもらうとします。一度に読める量が多いので、何年分もの資料をまとめて渡しやすくなります。

こうした公開されている資料なら、始めやすい使い方です。一方で、社内の資料や顧客の情報を入れるときは、先にデータの扱いを確かめます。

Kimiのサイト・アプリなどのプライバシーポリシー(2026年8月13日更新)には、入力した内容を、サービスの提供と改善のために使うと書かれています。改善には、AIモデルの学習も含まれます。このポリシーは、別の定めがない限り、APIの基盤(Kimi Open Platform)にも当てはまるとしています。また、情報が利用者の住む国の外にあるサーバーに送られ、保存されることがあるとしています。

会社でKimi K3.1 Proを使う前に確かめること

  • 入れたデータが学習に使われるか。会社向けの契約やAPIに、別の定めがあるか
  • データがどの国のサーバーに保存されるか。自社の規程で認められている保存先か
  • APIで使うなら、データを保存しない扱いを選べるか、その条件は何か
  • 社員が個人のアカウントで使ってよいか。会社として使ってよいAIを誰が決めるか
  • 公開されたモデル本体を自社の環境で動かすなら、利用条件(ライセンス)を確かめ、動かすための機器を用意できるか

当社では、新しいAIを使う前に、入れたデータが学習に使われるか、どこに保存されるかを契約と規約で確かめることをおすすめしています。当社のセミナー『Claude Codeで組織はどう変わる?』でも、学習に使われない契約の形を選び、データの使い方の条件を書面で確かめることをお伝えしました。

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当社の見解:モデルが替わっても使える、会社の材料を残す

AIのモデルは入れ替わります。Moonshot AIもAPIの案内ページで、前のシリーズ「K2」のモデルについて、2026年10月31日から新しく登録した利用者は使えなくなり、12月末までにすべての提供を終える予定だと案内しています(すでに使っている利用者は、それまで影響を受けないとしています)。どのモデルを使うにしても、会社の手順や判断のルールを、モデルとは別に残しておくことが大切です。

当社は「AIの差は、モデルの差より材料の差」と考えています。会社のデータと判断のルールがそろっていれば、新しいモデルが出たときにも、同じ材料を渡して試せます。

モデル本体を公開するAIが増えると、データを外に出さずにAIを使う選び方も考えやすくなります。当社が構築した通販・ECの社内QAとコールセンターの仕組みは、社内に専用機を置き、社内ネットワークから切り離した構成です。どこにAIを置くかは、外に出せないデータの量と、機器を保守できる体制で決めるのがよいと考えています。

この記事は2026年10月24日時点の発表をもとにしています。

最新の内容は、Moonshot AIとKimiの公式ページでご確認ください。

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