楽天市場の運営担当者は、受注管理や梱包・発送などさまざまな業務を実施しなければなりません。
規模が大きくなれば複数名のスタッフが在籍して各人担当業務をこなしますが、それでも作業量は多いものです。
少しでも負担を減らしたいときはツールの導入を検討することになりますが、楽天ではAIの活用にも注力しています。
こちらの記事では、楽天市場におけるAI活用について、運営にどのような影響があるのかとあわせて解説します。
楽天市場におけるAI活用
楽天市場では、AIを活用した店舗運営支援ツールである「RMS AIアシスタント」をローンチしました。
こちらのツールには回答精製やデータ解説、文書作成などの際にAIが文章を作成したり相談したりすることができます。
また、質疑応答だけではなく、実際に最適な回答を生成する機能などが搭載されています。
楽天市場においてさまざまな回答や文章作成は、運営担当者の大きな業務負担となります。
このような負担は楽天市場に出店している多くの店舗が抱えているもので、楽天全体の収益にも影響を及ぼします。
そこで、楽天グループは上記のツールを開発し、ローンチするに至りました。
近年ではさまざまな業界がAIを活用し、業務改善を実施していることから、楽天も店舗の利便性向上のために開発をしたのです。
「楽天AI大学」とは?
楽天AI大学では、AI技術に関する理解促進と、店舗運営におけるAIツールの活用推進を目的とした学びを得られます。
AIの基礎に加えて、先述したRMS AIアシスタントで提供している各機能の利用方法などを学ぶことができます。
楽天大学ラボでは、積極的にAIに関する対談やコンテンツが配信されていることから、強い関心を持っていることがうかがえます。
AIは人工知能を指すものであり、人の言葉の理解や認識、推論などをコンピュータが行う技術を指します。
ビジネスにAIを取り入れることで、これまで人が行っていた作業をコンピュータが自動で実施することができます。
「この仕事もAIが代行してくれるのか!」といったように、近年ではさまざまな作業を代行してくれるようになりました。
そのなかで、店舗運営者のなかには「人の作業が奪われて、雇用契約を解消されるのでは?」と不安に感じる方がいらっしゃいます。
結論として、AIが完全に人の仕事を奪い取るということは考えられません。
むしろ、AIが業務を代行している間に人にしかできない作業に集中することができるため、サービス品質が向上します。
下記は人にしかできない作業であり、現時点のAIでは代行することができないものになります。
- 論理的な思考を磨く
- 感性を磨く
- 思いやりの心を身に付ける
楽天市場では、受発注管理や配送準備などのほかに、商品ページの作成・掲載作業などがあります。
しかし、現状のAIでは「どのようなページ構成にすれば、ユーザーは見やすいだろう?」という答えを出すことはできません。
このようなプランニングや実施後の課題抽出は現在のところ、人にしかできない作業のひとつです。
このように、今後の働き方はAIと競争するのではなく、AIと共存する働き方になると考えられます。
楽天AI大学ではAIについての理解を深められるため、間接的に人は何をすればいいのかを理解することができるでしょう。
AIを活用した業務効率の改善事例
下記は、AIを活用した業務効率の改善事例の一部になります。
在庫の最適化
AIが得意とする業務のひとつとして、過去データを参考にした需要予測データの算出が挙げられます。
曜日や季節などを参考に、いつ・どの商品が・どれくらい売れたのかなどを瞬時に判断します。
これらの業務を人が実施したとき、さまざまな要素を確認することから多くの時間を要してしまいます。
人よりも早く、将来的に必要な数量の在庫が判断できれば、欠品や過剰在庫のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
ページ作成の効率化
AIは対象となる商品の品名や画像、基礎情報などを読み取り、商品の説明文を作成することができます。
こちらの機能はRMS AIアシスタント β版にも搭載されており、運営担当者の業務効率を大幅改善に貢献しています。
商品ページは店舗の収益に大きな影響を及ぼす要素であり、そのなかでも商品情報はほとんどのユーザーが視認します。
これまで説明文の作成に長時間かかっていたとしても、AIに代行してもらうことで業務効率が改善されます。
問い合わせへの自動回答
楽天市場で店舗を運営していると、日々多くのユーザーからさまざまな問い合わせが寄せられるものです。
商品に関する質問やクレームなど問い合わせ内容はさまざまであり、担当者は回答に追われることになります。
これらの作業には意外と多くの時間を要するものであり、場合によっては残業して対応を迫られることがあるものです。
AIに問い合わせへの自動回答を任せることで、運営担当者はその他の業務に集中することができます。
上記以外にも、AIを活用してEコマースの運営業務を効率化・削減できた事例はさまざまです。
AIの能力を最大限に発揮するためには、現状の業務を見直し、AIに任せられないかと疑問を持つことです。
また、現状の業務で最も時間がかかっている、心身の負担が大きい業務などを洗い出すことも重要です。
これらの業務をAIに任せることができれば、ほかの作業に集中できるためサービスの質が向上します。
まとめ|AIの進歩に期待
こちらの記事では、楽天市場におけるAI活用について、運営にどのような影響があるのかとあわせて解説しました。
楽天市場はAIを活用した店舗運営支援ツールである「RMS AIアシスタント」のほか、楽天AI大学をローンチしています。
近年ではAI技術を利用して業務効率改善を図る業界・企業が増加傾向にあります。
楽天についても店舗運営者の負担軽減を目的として、AI技術に注力するようになりました。
AIを活用した業務改善の事例として、在庫の最適化やページ作成の効率化、問い合わせへの自動回答などが挙げられます。
現状の業務に負担を感じている方は、自動化できないかを疑ってみましょう。