【成功事例】自社ブランド「補正ウェアのセルーナ」に見る、TikTok Shopが変えたEC売上創出の新常識
はじめに:TikTok Shopが切り拓いた、新たな売上創出の流れ
日本版TikTok Shopは2024年6月のサービス開始からわずか半年で累計流通額155億円を突破し、2025年12月単月のGMV(流通総額)は前月比65.4%増の約60億円に到達しました。
2026年末には年間流通額が約1,283億円に達するとも予測されており、EC市場における存在感はもはや無視できないものとなっています。

これまでのEC売上創出の主な手段といえば、リスティング広告やショッピング広告、インフルエンサーとのタイアップ、モール内広告、ショート動画を活用した流入施策などが中心でした。
TikTok Shopの登場により、「TikTok上でバズを起こし、そのままTikTok Shop上で購入まで完結させる」という、これまでとは全く異なる売上創出の流れが確立されつつあります。
従来も「TikTokでバズを起こして他のECチャネルへの波及効果を狙う」という考え方はありました。しかしTikTok Shopの誕生によって、バズと購買が同一プラットフォーム上でシームレスにつながるようになり、売上への転換効率が飛躍的に向上しました。
当社ではEC支援事業のみならず実際に自社でブランドを複数保有しております。本コラムでは、弊社が自社ブランド「補正ウェアのセルーナ」で実践・検証してきたTikTok Shop活用の戦略と成果を、できる限り具体的にお伝えします。
弊社の実績:3ヶ月で売上10倍以上、小売売上も1.5倍超に

弊社がTikTok Shopに本格的に注力した結果、施策開始からわずか3ヶ月で、それまで数十万円規模だったオンライン売上が数百万円規模(10倍以上)にスケールしました。対象となったのは、広告費の捻出が難しい低価格帯の商品です。従来の広告中心のアプローチでは費用対効果の確保が難しかった商品カテゴリでも、TikTok Shopを活用することで確かな売上を生み出せることが実証されました。

さらに注目すべき点は、オンライン単体の成果に留まらなかったことです。TikTok上での露出増加に伴い、メイン販売チャネルであった小売店での売上も1.5倍以上に成長しました。オンラインとオフラインの双方が相互に押し上げ合う好循環が生まれており、現在も成長は継続しています。
成功を支えた3つの戦略

戦略①|商材特化アカウントによる動画の大量投稿
TikTok Shopで成果を出すうえで、最初に取り組むべき施策が「商材に特化したTikTokアカウントの運用」です。

従来のプロモーション動画といえば、自社オウンドメディアでのブランド統一された投稿か、インフルエンサーを活用した投稿が主流でした。しかしTikTok Shopにおいては、特定の商材のみを紹介することに特化したアカウントを複数作成し、その商材に関する動画を集中的に投稿するアプローチが有効です。
このアカウントは、ブランドイメージ全体を醸成するオウンドメディアとは性質が異なります。投稿全体のコンテンツ構成を細かく設計する必要はなく、商材の魅力を伝える動画を高頻度で投稿することに専念するスタイルです。インフルエンサーを使わないため、1投稿あたりの費用を大幅に抑えながら投稿数を最大化できるという利点もあります。
なお、こうした施策においては、消費者が広告と認識できない形での投稿(いわゆるステルスマーケティング)は景品表示法上の問題が生じるため、弊社では適切な表示管理を徹底しています。
この種の動画制作・運用を代行する外部サービスも存在しており、「1再生あたり〇円」という成果報酬型の料金体系を採用している企業も多く、リスクを抑えながら試しやすい環境が整っています。弊社でも同様のサービスをご提供しています。まずは外部を活用しながら0→1の売上を作り、のちに内製化するというアプローチも現実的です。
戦略②|TikTok Shopアフィリエイトの活用によるクリエイターエコシステムの構築
TikTok Shopには、「TikTok Shopアフィリエイト」という仕組みが存在します。これはセラー(販売者)が商品に対して成果報酬率を設定し、クリエイターが自らその商品を選んでプロモーション動画を投稿してくれる仕組みです。クリエイターは商品が売れた場合にのみ報酬が発生するため、セラー側は固定費をかけずに多数のクリエイターを動かすことができます。

この構造は、楽天市場の「Rakuten Room」に非常に近いイメージです。TikTok上には超マイクロインフルエンサー(アフィリエイター)が無数に存在しており、商品が実際に売れていると認識されると、クリエイターが自発的に動画を投稿してくれる流れが生まれます。
一度大きな売上が立ち始めると、クリエイター側も「売れる商品」として積極的に紹介してくれるようになり、投稿数・再生数・売上が雪だるま式に拡大していく循環が生まれます。クリエイターとのネットワーク構築と管理をいかに効率的に行えるかが、このフェーズでの重要な実務課題となります。
戦略③|価格戦略(タイミングを捉えたプライシング調整)
TikTokのアルゴリズムは、実際に購買が発生している動画を優先的に拡散する傾向があります。つまり「売れれば売れるほど動画が回りやすくなる」という好循環の構造があります。加えて、TikTokユーザーは価格に対する感度が高く、購入ハードルに影響を受けやすいという特性があります。

弊社の実践事例として、最初は定価のままTikTok Shop上での販売を続け、動画投稿が一定数積み上がり売上が立ち始めたタイミングで、ブランドのレギュレーションの範囲内で戦略的に価格を引き下げました。その結果、購入ハードルが下がることで既存のプロモーション動画の再生数が一気に伸び、売上件数がさらに加速するという相乗効果が生まれました。
重要なのは「いつ、どのタイミングで価格を動かすか」です。動画資産が積み上がる前に価格を下げるだけでは効果は限定的です。ある程度の動画・売上の土台ができた状態でダイナミックに価格調整を行うことで、TikTokのアルゴリズムと相性の良い爆発的な拡散効果を生み出すことができます。
再生数と売上の関係:50万再生が一つの分岐点
動画投稿において重要なのは、ただ数を重ねることではなく「再生数を獲得できる動画」を作り出すことです。弊社の経験則では、1本の動画で50万再生を超えてくると、売上への直結効果が明確に感じられるようになります。50万再生を下回る水準では、売上への大きなインパクトは生まれにくいというのが体感です。
弊社の実際の事例では、施策開始1ヶ月で総再生回数が100万回を突破し、そのタイミングで売上が一気にスケールしました。
1本の大きな当たり動画を生み出すことができると、前述のクリエイターエコシステムとも相乗効果が生まれます。「この商品は売れている」という実績がTikTok上で可視化されることで、新たなクリエイターが参入し、動画資産がTikTok上に蓄積されていきます。積み上がった動画は持続的な集客・販売を生み出す資産として機能し、売上の成長が継続する構造へと転換していきます。
広告活用:Spark Adsで有機的な拡散をさらに加速する

バズを起こした動画をさらにスケールさせる手法として、「Spark Ads」の活用があります。Spark Adsとは、TikTok上に投稿されたオーガニック動画をそのまま広告として配信できるフォーマットです。自社アカウントの投稿だけでなく、アフィリエイトクリエイターが投稿した動画を許諾を得た上で広告配信に活用(第三者配信)することも可能です。
有機的に伸びている投稿を広告でさらにブーストすることで、アルゴリズムとの相性を維持しながら認知・購買を加速させることができます。通常の広告クリエイティブとは異なり、投稿として自然に見えるため、ユーザーの受容性が高い点も特徴です。

弊社のサポート内容

上述の施策は自社ブランド「セルーナ」での実践を通じて確立したものですが、同様のアプローチで他商材においても成果を出しています。TikTok Shopへの取り組みをご検討の事業者様に対して、以下のサポートをご提供しています。
- TikTok Shop全体の戦略立案
- TikTok Shopの運用代行
- 商材特化型の動画制作代行
- クリエイターネットワークの構築・管理
- Spark Ads(広告配信)の運用
おわりに:全ての商材に同じ戦略が通用するわけではない
本コラムでご紹介した施策は、すべての商材・価格帯に一律に当てはまるものではありません。商材の特性や価格帯によっては、ショート動画よりもTikTokライブコマースの活用が適している場合もあります。
「自社商材でTikTok Shopがどう機能するか」「どのアプローチから始めるべきか」といった壁打ちからでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。