TikTok Shop は、2025年6月に日本でリリースされたライブコマース型のサービスです。
これまでのEコマースは自ら探して発見するものでしたが、TikTok Shop はショッピング動画やLIVE配信を通じてユーザーがお気に入りのアイテムに出会える仕組みとなっています。
このようなサービス形式を「ディスカバリーEコマース」と位置づけており、今後の発展が期待されています。
しかし、TikTok および TikTok Shop を利用する際は、プラットフォームのルールに従う必要があります。
こちらの記事では、TikTok Shop のアカウント停止について、原因と対策をご紹介します。
TikTokの規約

TikTok、およびTikTok Shop はユーザーの安全性、およびプラットフォームの信ぴょう性を維持・向上させるために、配信者に対して利用規約を設けています。
下記はTikTok が定めている規約を要約したものです。
当社との関係
前提として、TikTok 上に掲載したコンテンツはTikTokと配信者・企業間での規約に了承したものとします。
また、ターゲットはあくまで個人ですので、その点を注意してコンテンツ作成に臨む必要があります。
規約の受諾
TikTok のアカウントを作成し、ログインしたうえでコンテンツを掲載・視聴する時点で、TikTok のプライバシーポリシーやコミュニティガイドラインなどに了承したものとします。
そのため、アカウントを利用する際にトラブルが発生した場合、法的かつ金銭的な責任が発生します。
規約の変更
TikTok は多くのユーザーを抱えるようになったプラットフォームです。
しかしまだ改善の余地はあるので、ユーザビリティおよび利用者の利便性向上のため、まだまだ進化を続けています。
プラットフォーム改善に伴う変更に同意してほしい意図が示されています。
お客様の当社のアカウント
前提として、TikTok にコンテンツを掲載したり、TikTok 上のコンテンツを視聴したりする際は、アカウントを作成する必要があります。
アカウント作成時には身分を提供する必要があり、これらはTikTok で厳重に守られています。
利用者についてもパスワードをはじめとしたアカウント情報は秘密情報として、厳重に管理をしてもらう必要があります。
もしも不正アクセスなどのトラブルが発生したときは、https://www.tiktok.com/legal/report/feedback に連絡しましょう。
お客様による本サービスのご利用
TikTok 利用者はTikTok が定めた規定・ルール、および法律を遵守しなければなりません。
そのため、TikTok では下記を実施できないことが明記されています。
- 規約に合意できないにもかかわらず、TikTok を使用すること
- ファイルや表、文書など、TikTok に含まれるコンテンツの、下記のような無断使用
- 複製
- 修正
- 翻案
- 翻訳
- リバースエンジニアリング
- 逆アセンブル
- 逆コンパイル・作成
- TikTok の派生物の一部または全部を頒布、使用権の許諾、転送、売却
- TikTok の無断レンタル・リース提供
- 書面に同意がない商用利用
- ネットワーク妨害やアクセス妨害
- TikTok のサービスを別のプログラムに組み込む
- TikTok に関する情報の無断取得およびスクリプトの使用
- 著作権、知的財産権の侵害
- 下記のように、他社に不快感を与えるコンテンツ
- 他者に恐れを抱かせる
- 嫌がらせ
- 性的に露骨な表現
- 暴力の宣伝
- 人種、性別、宗教、国籍、身体障碍、性的指向または年齢による差別の助長
- 虚偽の身元作成
- レビューの取引、何らかの対価を支払って評価を上下させる行為
- ウィルス散布の媒体にすること など
知的財産権
知的財産権はクリエイターの権利を守る法律ともいえます。
TikTok では知的財産を尊重しており、利用者にも尊重を求めています。
知的財産の侵害についてはTikTok の判断に依存しており、侵害していると判断した場合はいつでもアカウントの遮断・終了の権利を有しています。
コンテンツ
一言でコンテンツといっても、TikTok においては「TikTok のコンテンツ」と「ユーザーが作成するコンテンツ」のふたつに分かれます。
TikTok のコンテンツ
TikTok のコンテンツとは、下記のようにTikTok 上のすべてのコンテンツを指します。
- ソフトウェア
- 画像
- テキスト
- グラフィック
- イラスト
- ロゴ
- 特許
- 商標
- サービスマーク
- 著作権
- 写真
- 音声
- ビデオ
- 音楽および「ルック·アンド·フィール」ならびにこれらに関連するすべての知的財産権
これらの知的財産権はすべてTikTok が有するものであり、無断使用は固く禁じられています。
また、目的の如何に問わず、ダウンロード、コピー作成、複製、頒布、送信、放送、表示、売却、使用許諾およびその他の利用はできません。
ユーザーが作成するコンテンツ
ユーザーが作成するコンテンツTikTok の利用者が撮影し、編集した動画を指します。
具体的には文章、写真、動画、音声、および音声に含まれ一体をなす音楽作品、ならびに利用者が個人的に所蔵する楽曲や騒音として流れている音声を含む動画が含まれます。
これらにも知的財産権は適用されますが、利用者自身はコンテンツガイドラインを遵守しなければなりません。
補償
利用者は規約に基づいて、保障の違反に対するすべての請求や弁護士の諸費用について、TikTok に損害を与えないことに同意するものとします。
一見厳しい言葉ですが、不必要な異議申し立てや訴訟などはしないように、ということになります。
保証の除外
TikTokは消費者として認められる法的権利を制限せず、「現状のまま」提供されることを定めており、下記は保証を行いません。
- TikTokではサービスが利用者の要求を満たすこと
- 中断やエラーがないことや、情報が正確であること
- ソフトウェアの不具合が修正されることなど
また、明示された場合を除き黙示的な保証も適用されず、当社は業務上の必要に応じ、サービス内容を通知なく変更・停止・制限できます。
責任の制限
TikTok では、運営者側の従業員に被害が発生した場合、TikTok が責任を負うとしています。
一方、下記についてはTikTok は責任を問わないことを明言しているため、注意が必要です。
- 機会損失やデータの消失などの間接的な損害
- 広告主とのトラブルや、広告内容を信じたことで起きた問題
- サービスの変更・停止があった場合の不利益
- 保存していたデータが消えたり壊れたりした場合
- アカウント情報の誤入力や、パスワード管理の不備によるトラブル
- 商用利用で発生した損害(事業の損失、評判の低下など)
また、TikTok ではときどきアップデートが発生しますが、アップデートをせずにトラブルが発生した場合も、TikTok 側は責任を負わないとしています。
その他、サービスを利用する際には通信料(パケット料)が必要になりますが、通信会社と利用者間で発生したトラブルにもTikTok は関与しません。
その他の条項
その他、TikTok では下記についても言及しています。
- 紛争が起きた場合:特別なルールがある地域を除き、トラブルはシンガポールの法律に従い、SIAC(国際仲裁)で英語を使って解決します。
- オープンソースについて:サービスの一部にオープンソースソフトウェアが使われており、それぞれのルール・利用規約に従います。
- 完全な合意:ユーザーとTikTok間の正式で最新のルールになります。
- リンクの扱い:当社の評判を損なわない方法であればホームページへリンクできます。しかし、関係があるように見せかけたり、権利のないサイトでリンクを貼ることは禁止されています。
- 年齢制限:13歳以上(地域によって追加条件あり)だけが利用できます。年齢未満と判明した場合、アカウントは停止されます。
- 権利を放棄しない:当社が規約の権利を行使しなかったとしても、権利を手放したことにはなりません。
- セキュリティ:サービスに完全な安全性やウイルス対策を保証するものではなく、利用者自身でシステム管理やウイルス対策を行う必要があります。
- 条項が無効になった場合:特定の一部が無効となっても、他の条項はそのまま有効です。
参考ページ:TikTok 公式ページ「TIKTOKサービス規約 」
TikTok Shopのアカウントが停止する原因

TikTok をはじめとしたSNS を利用していると、しばしば「垢バン」という言葉を耳にします。
垢バンとは利用規約違反や不正行為があった際に、運営からアカウントを停止・削除される処罰を指します。
下記はTikTok における垢バンの原因です。
規約・ポリシー違反
TikTokでは、違法薬物や武器、アダルト製品、電子タバコ、過度な痩身効果をうたう商品、未認証の医療品などの販売を規約で禁止しています。
にもかかわらず、規約に違反してこれらの商品を販売した場合、TikTok Shop のアカウント停止の処分が下されます。
また、TikTok Shop の開業には厳しい審査が課せられていますが、もしも偽ブランド品などを販売した場合も、垢バンとなります。
運用上の問題
TikTok Shop では、発送遅延や在庫切れによるキャンセルが続くと違反ポイントが加算されます。
このポイントが一定数たまるとアカウント停止となります。
基準として、顧客対応は24時間以内の返信率が80% 以上とされており、その他暴言や外部サイトへの誘導なども禁止されています。
また、不正行為の一環として偽の書類提出、レビュー操作、アカウント売買、停止回避の新規作成などは永久垢バンの対象となるため、絶対に行わないようにしましょう。
その他の要因
TikTok Shop では、ショップ運営者が在庫を持たずに、注文が入ったら提携しているメーカーや卸業者から購入者の住所へ直接商品を発送してもらうビジネスモデルである「ドロップシッピング」にも対応しています。
しかし、発送日数が3日以内とされているため、遅延が大きなリスクとなることがあります。
何度も遅延していると運用上の問題があると判断され、垢バンとなるため注意が必要です。
一方、健全な運営をしていても、TikTok 側のエラーにより垢バンを喰らうことがありますが、そのような場合は異議申し立ての手続きを行えば、解除されることがあります。
まとめ

こちらの記事では、TikTok Shop のアカウントが停止する原因について解説しました。
アカウント停止は規約・ポリシー違反や運用上の問題などによって発生します。
前提として、TikTok およびTikTok Shop を運営する際は、利用規約に基づかなければなりません。
知的財産権の保護、不正行為の禁止、年齢制限、セキュリティ管理など多岐にわたるルールが設けられており、これらを遵守することでアカウント停止を避けることができます。
「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、TikTok というプラットフォームを利用する際は、TikTok のルールに則る必要があります。
ルールに則り、運営や利用者に迷惑をかけないように、健全なアカウントを構築しましょう。