楽天市場では競合ショップとの競争に優位に立つために、しばしば価格変更を行うことがあります。
単品の場合は手作業で変更することはできますが、複数商品を変更する場合もあるでしょう。
そのような場合でも、楽天市場では一括で情報を編集できる「CSV商品一括編集機能」というものがあります。
こちらの記事では、楽天市場のRMSで面倒な価格変更を一括で行う方法について解説します。
本来の価格変更の方法
価格変更を行う際は、本来は下記の手順で変更します。
- 楽天RMSにログインする
- 「商品管理」>「商品編集」の順に進む
- 商品登録画面のなかから、販売価格を選択して数値を記入する
楽天市場には多くのショップが出店していることから、価格競争に巻き込まれることも少なくはありません。
先週までは自店舗に多くの受注が舞い込んできていても、ある日を境にぱったりと来なくなった、という事例は多々あります。
さまざまな原因が考えられますが、真っ先に思い浮かべるのが価格競争に負けたことではないでしょうか?
楽天ユーザーの多くは、検索結果に表示されているアイテムを、さまざまな角度から比較します。
色やサイズ、形状、送料の有無などがありますが、最も大きな判断材料は価格競争になります。
どのような方でも、同じ商品であればできるだけ安く購入したいと考えるものです。
楽天市場における売り上げ増加の戦略としても価格競争が含まれており、最もわかりやすい方法になります。
価格については楽天を閲覧している全ユーザーが確認できる数値であるため、比較・競争がしやすいのです。
そのため、ユーザーや売り上げが減ったと思ったときは、売れ筋商品の価格を見てみると良いでしょう。
RMSを利用した一括変更の方法
しかし、多くの商品を取り扱うショップの場合、ひとつずつ価格を調整していると多くの時間を要してしまいます。
取扱商品の平均単価にも依存しますが、楽天市場で高い売り上げを得ているショップは取扱商品が多い傾向にあります。
商品数はユーザーの選択肢が増えることに直結し、転じて顧客満足度につながる要素です。
取扱商品数が少ない場合、送料無料ラインに乗らない可能性があり、不要なものを買わなければなりません。
ムダな買い物をしたくないユーザーはそのショップで買い物をあきらめ、別のショップで買い物をします。
一方、商品ラインアップが増えるとその分在庫管理や価格調整の手間が発生するものです。
そこで、楽天市場では月額11,000円(税込)を支払うことで、商品を一括で編集できるサービスを提供しています。
一括編集をするシーンとして、セールの際に全商品を対象とした割引が挙げられます。
膨大な商品をひとつずつ編集すると多くの時間と手間が発生するため、非効率です。
費用は掛かりますが、CSV一括編集機能を利用することで効率良く編集ができるため、利便性が高いサービスといえます。
下記はCSVを用いた、一括編集の方法です。
- RMSからCSV商品一括編集機能の利用を申し込む
- ファイルのダウンロード・アップロードの際に使用するSFTPソフトを準備する
- RMSのCSVファイルダウンロード画面から、希望のファイルをダウンロードする
- ダウンロードしたファイルを編集する
- 編集後、SFTPソフトを使ってサーバーにアップロードする
CSVファイルは下記3種類に分かれており、それぞれで用途が異なります。
- イベント時に商品情報を一括変更する「item.csv」
- 選択肢や注意書きを一括で追加する「select.csv」
- 商品のカテゴリを一括で付け替える「item-cat.csv」
価格を変更する際は「item.csv」を使います。
一括変更を導入する目安
先述の通り、楽天市場で一括変更機能を導入する際には、月額11,000円(税込)が必要になります。
そのため、業務効率化や時間短縮などを目的として導入しても、収支がマイナスとなってしまうことがあるのです。
楽天市場でCSV一括編集機能を導入する際は、「損益分岐点」を考えてみましょう。
損益分岐点とは、黒字と赤字を分ける価格であり、この数値を下回ると赤字啓江であるといえます。
下記は損益分岐点の計算式であり、一度算出してみることをおすすめします。
- 損益分岐点 = 固定費 ÷ {1 – (変動費 ÷ 売上高)}
{1 – (変動費 ÷ 売上高)}は「限界利益比率」と呼ばれるもので、売り上げに対する限界の利益です。
この損益分岐点が11,000円以上であれば、少なくともCSV一括編集機能を導入しても赤字にはなりません。
単価が低い商品群を扱っている場合は多くの数量を購入してもらわない限り、売り上げをあげにくいでしょう。
そのため、一括編集機能で一気に編集をしたいと考える経営者は、少なくはないと思います。
しかし、楽天市場に出店する理由は、自社商品を用いて売り上げを上げることです。
そのため、赤字になっても一括編集を導入することは、経営の観点では本末転倒になります。
一括編集を導入する際は、事前に自店舗の売り上げ状況を確認しておきましょう。
その他一括で変更できる要素
こちらでは、楽天市場で一括編集ができる要素をご紹介します。
item.csv
item.csvは、基本的な商品情報を一括で編集できるCSVです。
お買い物マラソンやスーパーセールのときに、まとめて価格変更をしたいときに用います。
また、クリスマスや父の日など、イベントの際にこちらのファイルを使用することで、一気にタイトルに盛り込めます。
select.csv
select.csvはラッピングサービスや熨斗(のし)の有無など、選択肢を簡単に編集できるファイルです。
ファッションカテゴリなどの場合はカラーバリエーションやサイズが豊富なため、使用シーンは多いことでしょう。
また、運送会社の指定はできないなどの注意書きについても、こちらのファイルを用いれば一気に編集できます。
item-cat.csv
こちらのCSVは、アイテムカテゴリの登録や紐付けを一気に行えるファイルになります。
取扱商品が増えたとき、より細かくカテゴリ分けをしたいときに用います。
カテゴリ分けはユーザーの利便性向上に貢献することから、結果として売り上げ向上にもつながります。
一括変更機能のメリット
楽天市場のCSV一括機能を利用することで、下記のようなメリットを得ることができます。
- 商品情報の管理や編集を効率良く実施できる
- セールやイベントの準備を少ない負担で行える
- 空いた時間をほかの施策に利用できる
これらをまとめると、CSV一括機能のメリットは業務効率改善に収束できます。
本来、商品情報の編集は1ページ単位で行うため、商品数が多くなるほど多くの時間を要します。
しかし、一括編集機能を利用することによって、複数の商品を一気に編集できるようになります。
フォーマットについてもExcelやスプレッドシートと同形式であることから、違和感なく利用できます。
一括変更機能のデメリット
一方、CSV一括編集機能には、下記のデメリットが存在します。
- 月額費用が発生する
- 誤った情報をアップロードしてしまう可能性がある
- 上限が存在する
CSV一括編集機能を利用するためには、月額11,000円(税込)、年間では132,000円必要です。
いつでも解約できるとはいえ、このように見てみると意外と板出費になります。
また、一括編集で特に注意するべきポイントとして、誤った情報をアップロードしてしまう可能性があるのです。
一括編集のアップロード・ダウンロードには、下記のように上限がある点にも注意しましょう。
ダウンロード上限:商品上限数:50,000商品、ファイル上限行数:100,420行
アップロード上限:商品上限数:50,000商品、ファイル上限行数:21,050,000行
まとめ|売り上げだけではなく、業務効率も検討しよう
こちらの記事では、楽天市場のRMSで面倒な価格変更を一括で行う方法について解説しました。
楽天市場のCSV一括編集機能とは、月額11,000円(税込)を支払うことで商品を一括で編集できるサービスになります。
導入することによって、下記のようなメリットを得られます。
- 商品情報の管理や編集を効率良く実施できる
- セールやイベントの準備を少ない負担で行える
- 空いた時間をほかの施策に利用できる
一方、月額費用が発生する、誤った情報をアップロードしてしまう可能性がある、上限が存在する点には注意が必要です。
人件費などは売り上げと比べると見えにくいコストになりますが、このコストを見直すことで経営体質が改善します。
ある程度の売り上げを獲得していて、業務効率を改善したいときは一括編集機能を導入しましょう。