ライブコマースにインフルエンサーを起用するメリットと注意点

ライブコマース市場の拡大に伴い、インフルエンサーを起用した販売手法に注目が集まっています。
SNSで影響力を持つインフルエンサーを活用することで、集客力や認知拡大、購買促進につながるのではないかと期待する企業も増えています。

一方で、「インフルエンサーを使えば本当に成果が出るのか」「自社の商品やブランドに合っているのか」といった疑問や不安を感じている担当者も少なくありません。
フォロワー数や話題性だけで判断してしまい、十分な効果を得られなかったというケースも見られます。

本記事では、ライブコマースにおけるインフルエンサー活用の基本的な考え方を整理し、起用するメリットや注意点、成果につなげるために押さえておきたい判断ポイントについて解説します。
ライブコマースへのインフルエンサー起用を検討している方が、導入可否や進め方を考える際の参考になる内容をまとめています。

ライブコマースにインフルエンサーを起用するメリット

ライブコマースにおいてインフルエンサーを起用する最大の強みは、「集客・信頼・購買」までの流れを一気に短縮できる点にあります。
自社配信では時間をかけて積み上げる必要がある要素を、インフルエンサーの影響力によって補えるのが特徴です。

ここでは、代表的なメリットを3つの観点から解説します。

集客力を一気に高められる

インフルエンサーを起用する最大のメリットは、配信開始時点で一定の視聴者数を確保しやすいことです。
すでにフォロワーを抱えているため、事前告知や配信開始の通知だけで、一定数の視聴者に即時リーチできます。

自社アカウントでライブコマースを行う場合、

  • フォロワーが少ない

  • 配信自体の認知が広がっていない

といった理由から、視聴者が集まるまでに時間がかかることが少なくありません。

一方、インフルエンサーを起用すれば、
自社では届かなかった層に対しても一気に認知を広げることが可能です。
特に、新商品や新ブランドの立ち上げ段階では、この集客力が大きなアドバンテージになります。

信頼を短期間で獲得しやすい

インフルエンサーは、フォロワーとの間にすでに一定の信頼関係を築いています。
日常的な投稿や発信を通じて形成された関係性があるため、
インフルエンサーの言葉そのものが「第三者の推薦」として受け取られやすいのが特徴です。

企業が直接発信する情報は、どうしても
「売るための情報」
として受け取られがちですが、インフルエンサー経由の発信であれば、
比較的自然に受け入れられやすくなります。

ライブ配信では、

  • 実際に使ってみた感想

  • 良い点だけでなく気になる点への言及

  • コメントへの率直な回答

といった要素が重なり、短時間でも信頼が形成されやすい環境が整います。
これは、テキストや広告では得にくいメリットと言えるでしょう。

購買意欲を高めやすい

インフルエンサーを起用したライブコマースでは、
視聴者が商品を「自分ごと」としてイメージしやすくなる点も大きなメリットです。

インフルエンサー自身が商品を使用することで、

  • 使用シーン

  • サイズ感や質感

  • 実生活への取り入れ方

といった情報が具体的に伝わります。
これにより、視聴者は購入後のイメージを持ちやすくなり、購買意欲が高まります。

また、インフルエンサーによる紹介は、
企業主体の配信に比べて押し売り感が出にくい傾向があります。
視聴者にとっては、「勧められている」というよりも
「参考意見を聞いている」感覚に近く、自然な購買行動につながりやすくなります。

インフルエンサー起用時の注意点

ライブコマースにインフルエンサーを起用することで、大きな効果が期待できる一方、
起用方法を誤ると「思ったほど成果が出ない」「かえってブランド価値を下げてしまう」といったリスクもあります。

ここでは、インフルエンサー活用において特に注意すべきポイントを整理します。

フォロワー数だけで選ぶと失敗しやすい

インフルエンサー選定で最も多い失敗が、フォロワー数だけを基準に起用してしまうケースです。
フォロワー数が多いことと、商品が売れることは必ずしも一致しません。

フォロワー数が多くても、

  • 視聴者が「見る専門」で購買に結びつかない

  • エンタメ目的のフォロワーが中心

  • ライブ配信への参加率が低い

といった場合、ライブコマースでは期待した成果が出にくくなります。

重要なのは、
フォロワーがどれだけ反応しているか(エンゲージメント)です。
具体的には、

  • コメント数

  • ライブ配信の同時視聴者数

  • フォロワーとの距離感

といった点を見ることで、実際の影響力を判断しやすくなります。

商材・ブランドとのミスマッチ

インフルエンサーの影響力が高くても、
自社の商材やブランドの世界観と合っていない場合、逆効果になる可能性があります。

例えば、

  • 高級感を重視したブランドにカジュアルな発信者を起用する

  • 専門性が求められる商材に、エンタメ色の強いインフルエンサーを起用する

といったケースでは、視聴者に違和感を与えてしまうことがあります。

また、インフルエンサーは過去の発信内容や言動が注目されやすく、
炎上リスクやブランドイメージへの影響も無視できません。
一度損なわれたブランド価値を回復するには、時間とコストがかかります。

そのため、起用前には

  • 過去の投稿内容

  • フォロワーとのコミュニケーションの仕方

  • 他ブランドとのコラボ実績

などを確認し、中長期的な視点で相性を判断することが重要です。

費用対効果が見えにくいケースがある

インフルエンサー起用では、
ギャラだけでなく、運用にかかるコストも考慮する必要があります。

多くの場合、

  • 出演料(固定報酬)

  • 成果報酬やインセンティブ

  • 事前打ち合わせ・準備工数

といった複数のコストが発生します。

特に単発での起用では、

  • 認知は取れたが売上につながらない

  • 効果測定が難しい

  • 改善につなげられない

といった課題が生じやすく、費用対効果を判断しにくくなります。

そのため、
単発施策として終わらせるのではなく、継続的な起用やテスト運用を前提に考えることが、
結果的にリスクを抑えるポイントになります。

ライブコマースで成果が出やすいインフルエンサーの選び方

ライブコマースで成果を出すためには、「有名かどうか」よりも
自社商材・目的に合ったインフルエンサーを選べているかが重要です。
ここでは、選定時に特に重視すべきポイントを整理します。

フォロワー属性と商材の一致

インフルエンサー選びでまず確認すべきなのが、
フォロワーの属性と自社商材の購買層がどれだけ重なっているかです。

具体的には、

  • フォロワーの年齢層

  • 性別の比率

  • 興味関心やライフスタイル

といった点を確認する必要があります。

例えば、
20代女性向けのコスメを販売しているにもかかわらず、
フォロワーの中心が30〜40代男性であれば、
ライブ配信を行っても購買につながりにくくなります。

重要なのは、
フォロワーが「実際に買う可能性のある層かどうか」です。
再生数やフォロワー数が多くても、
実購買層とズレていれば、ライブコマースでは成果が出にくくなります。

ライブ配信の経験・適性

ライブコマースでは、
ライブ配信そのものに慣れているかどうかが成果を左右します。

投稿動画では人気があっても、

  • 話が一方通行になってしまう

  • コメントを拾えない

  • 間が持たず視聴者が離脱する

といったケースも少なくありません。

選定時には、

  • 過去にライブ配信を行っているか

  • コメントへの反応がスムーズか

  • 視聴者との距離感が近いか

といった点を確認することが重要です。

また、商品を理解し、
自分の言葉で説明できるかどうかも大切なポイントです。
単に用意された説明を読むだけでは、
ライブコマースならではの信頼感は生まれにくくなります。

単発ではなく継続前提で考える

インフルエンサー活用は、
単発で完結させるよりも、継続的に起用する方が成果が出やすい傾向があります。

理由として、

  • 回数を重ねることで視聴者の信頼が積み上がる

  • 商品理解が深まり、紹介の質が向上する

  • 改善点を次回配信に活かせる

といった点が挙げられます。

初回配信で大きな成果が出なかったとしても、
それだけで判断してしまうのは早計です。
中長期的な視点でテスト・改善を重ねられるかどうかが、
最終的な成果を左右します。

インフルエンサーを「広告枠」としてではなく、
ブランドの一部として育てていく意識を持つことが、
ライブコマース成功への近道と言えるでしょう。

まとめ|インフルエンサー活用は「相性と設計」が重要

ライブコマースにおけるインフルエンサー活用は、集客力や信頼性、購買促進といった面で大きな可能性を持っています。
しかし、フォロワー数や話題性だけで判断してしまうと、期待した成果につながらないケースも少なくありません。

重要なのは、
インフルエンサー活用そのものが目的になっていないかを冷静に見極めることです。
自社がライブコマースで達成したい目的が「認知拡大」なのか、「売上創出」なのか、「ブランド理解の促進」なのかによって、
選ぶべきインフルエンサーや運用方法は大きく変わります。

また、インフルエンサーと自社商材・ブランドとの相性は、成果を左右する重要な要素です。
世界観やフォロワー属性が合っていない場合、短期的な注目は集められても、
中長期的にはブランド価値を損なうリスクもあります。

そのため、いきなり大きな予算をかけるのではなく、
小さく試し、結果を見ながら改善を重ねていく姿勢が欠かせません。
テスト配信を通じて、配信内容やインフルエンサーとの相性、視聴者の反応を確認し、
自社にとって最適な形を見つけていくことが、成功への近道となります。

インフルエンサー活用は、正しく設計し、継続的に運用することで、
ライブコマースを支える有効な施策のひとつになります。
メリットだけに目を向けるのではなく、相性と設計を重視した上で、自社に合った活用方法を検討することが重要です。

ライブコマース×インフルエンサー活用、まずは相談してみませんか?

インフルエンサーを起用したライブコマースは、
商材や目的に合った設計ができているかどうかで成果が大きく変わります。

  • 自社商品で本当に成果が出るのか

  • どんなインフルエンサーが合うのか

  • 費用対効果をどう考えるべきか

こうした疑問をお持ちの方は、まずは無料相談をご活用ください。
貴社の状況をお伺いした上で、無理な提案はせず、現実的な活用方法をご案内します。

平野涼介

この記事の著者

平野涼介

この記事の著者

平野涼介
ECコンサルタント:マネージャー

インフルエンサーマーケティング事業の責任者としてPRやマーケティングに従事。その後、自社商品の1からの販促を担当しインフルエンサーPRを通して大ヒット。

自社商品をECモール出店に切り出し各モールで数々の賞を獲得。

自社商品の運営で得た実績とノウハウを生かしEC SUPPORTERZを立ち上げ、主にECモールのコンサルティングを通してECの企業様をサポート中。

全体戦略設計力と売りに繋がる施策実行力が強み。