楽天市場の市場規模|ほかECとの違いや楽天グループについて

2025年01月28日

楽天市場は日本国内における最大級のECモールであり、多くのお店が出店して日々売上を得ています。

Eコマースに限らず、ビジネスで成功するための秘訣は需要があるところで勝負をする、ということが挙げられます。

多くの人が集まる場所は高い需要が期待でき、注力すれば多くの売上を上げられるでしょう。

Eコマースにおいて需要を計測するものとして、市場規模や利用者数が挙げられます。

楽天、および楽天以外のEコマースサイトは、どのような市場規模や利用者の推移をたどっているのでしょうか?

こちらの記事では、楽天市場の市場規模について、ほかのECとの違いや楽天グループのサービスとあわせて解説します。

 

利用者が多いECモールの市場規模

下記は、日本国内で利用者が多いECモールになります。

  • 楽天市場
  • Amazon
  • Yahoo!ショッピング
  • ヨドバシ・ドット・コム
  • ビックカメラ.com
  • ヤマダモール

 

これらを見てみると、主要ECモールである楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピング以外は家電量販店であることがお分かりいただけると思います。

実店舗で見てみても、家電量販店は電化製品だけではなく、衣類や化粧品などさまざまな商品を取り扱っているのを見かけます。

経営の観点からすると、商品数の多さは顧客満足度に直結する要素であることから、どの企業も注力しているものです。

しかし、商品数が多くなると在庫リスクも高くなり、費用対効果が下がってしまう懸念があります。

そこで、ECモールをオープンし、実店舗とWeb上で在庫を共有することによって、在庫リスクを軽減できます。

人気商品については店舗とWebで在庫を分けておくことで欠品リスクを回避できるため、顧客満足度を下げることはありません。

このような観点から、ECモールを運営している家電量販店は存在していると考えられます。

 

ECモール比較まとめ

こちらの記事でご紹介するECモールをまとめると、下記のようになります。

  楽天市場 Amazon Yahoo!ショッピング ヨドバシ・ドット・コム ビックカメラ.com ヤマダモール
出店形式 テナント型

(出店型)

マーケットプレイス型

(出品型)

テナント型

(出店型)

自社運営 自社運営 テナント型

(出店型)

サービス開始年 1997年 2000年(日本) 1999年 1988年 2003年 2010年
出店店舗数 約5.7万店舗 約17.8万店舗 約120万店舗 200店舗以上
ポイント 楽天ポイント Amazonポイント PayPayポイント ゴールドポイント ビックポイント ヤマダポイント
ユーザー数 5,000万人以上 4,500万人以上 2,200万人以上 2,000万人以上 500万人程度(ネット会員数)
年齢層 10代から30代が多い 30代から50代が多い 30代から50代が多い 20代から30代が多い 50代以降が多い 50代以降が多い
性別 やや女性のほうが多い やや男性のほうが多い 男女ともに大きな差はない やや女性のほうが多い やや男性が多い やや男性が多い
売上高 5.6兆円(グループ合計) 3.2兆円 1.7兆円 2,100億円 1,450億円
月額費用 がんばれ!プラン:月額1万9,500円

スタンダードプラン:月額5万円

メガショッププラン:月額10万円

大口出品:月額4,900円

小口出品:1商品ごとに100円

基本無料

(1~15%のポイントやキャンペーンの原資を負担)

10,000円
キャンペーン お買い物マラソン

ワンダフルデー

楽天スーパーセール

タイムセール祭り

ブラックフライデー

サイバーマンデー

超PayPay祭

ゾロ目の日クーポン

5のつく日キャンペーン

メーカー主催キャンペーン

まとめ買いキャンペーン

ポイント付与キャンペーン

キャッシュレス決済キャンペーン

d払い 総額1億ポイント山分けキャンペーン

楽天ペイの日

プラチナワンデー

キャッシュバックキャンペーン

タイムセール

 

ここからは、それぞれのECモールの特徴をご紹介します。

 

楽天市場

楽天市場は楽天グループ株式会社が運営するECモールであり、5,000万人以上の利用者を獲得しています。

出店店舗数は約5.7万店舗で、ユーザー層としては10代から30代が多く、やや女性のほうが多い傾向にあります。

出店方式はテナント型であり、実店舗でいうところのショッピングモールのような形式を採用しています。

そのため、楽天市場に申請することで多くの店舗がモール内に出店することができます。

ほかのECモールと比較すると、楽天グループで利用できる「楽天ポイント」がさまざまな用途で利用できるため便利です。

購入時やサービス利用時に付与される楽天ポイントは、グループ内で割引などのサービスを受けられます。

EC事業もしっかりと成長していることから、設備投資などにも注力してくれることが期待できるECモールです。

 

Amazon

Amazonは1995年7月にアメリカのワシントン州にある、創業者ジェフ・ベゾスの自宅ガレージからスタートしたECモールです。

かつてオンライン書店だったAmazonも、今やさまざまなアイテムが世界中から集まる巨大ECモールとなりました。

テレビCMやWeb広告などで、「プライム」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?

プライム会員になるとさまざまな恩恵を受けられますが、そのなかでも翌日配達サービスは多くの人が利用していることでしょう。

日本に入ってきたのは2000年で、現在はユーザー数4,500万人以上、出店店舗数は約17.8万店舗にものぼります。

年齢・性別についても幅広いユーザーが利用していますが、特に30代から50代男性が多い傾向にあるようです。

なお、Amazonに出店する際、Amazonの直売ではない「マーケットプレイス」というポジションになります。

 

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングはLINEヤフー株式会社が運営するECモールで、1999年からサービスがスタートしました。

出店店舗数は約120万店舗、ユーザー数は2,200万人以上にものぼります。

ユーザー層としては男女ともに大きな差はありませんが、年齢的には30代から50代が多いようです。

特筆事項として、近年PayPayと連携したことにより、ショッピング時にポイントが付与されるようになった点が挙げられます。

PayPayは日本を代表するQR決済サービスであることから、利用している人は多いと思います。

少なからずPayPayユーザーを取り込めたと考えられ、その結果売上高は1.7兆円を達成しました。

イベントにも超PayPay祭が用意されているため、今後もPayPayを利用したキャンペーンが開催されるかもしれません。

 

ヨドバシ・ドット・コム

ヨドバシ・ドット・コムはECモールとしては早い段階の、インターネット黎明期である1988年にサービスが始まりました。

2,000万人以上のユーザー数を誇りますが、自社運営のモールであることから出店することはできません。

現在出品している商品はヨドバシが直接仕入れをした商品であり、主にメーカーとの取引になります。

利用ユーザーはやや女性のほうが多く、年齢層としては20代から30代の、比較的若い世代から支持を得ています。

「ヨドバシカメラ」という言葉を聞くと、多くの方は家電量販店だけではなくショッピングモールをイメージすることでしょう。

実際に、ヨドバシ・ドット・コムでもさまざまなジャンルの商品を取り扱っています。

売上高についてはほかのモールよりも控えめな2,100億円程度ですが、今後の成長が期待できるモールといえるでしょう。

 

ビックカメラ.com

ビックカメラ.comは2003年にサービスを開始したECモールで、ヨドバシと同様に自社運営のモールになります。

日本を代表する家電量販店のひとつであり、名前にも入っている通りかつてはカメラが主力商品でした。

それが年月の経過とともに、さまざまなニーズにこたえるため多種多様な商品をそろえるようになったと考えられます。

小型店から大型店まで、さまざまな形態の店舗を構えるビックカメラですが、実はECモールは20年以上の歴史を誇ります。

持ち運びが不便な冷蔵庫や洗濯機といった家電も、ECモールで購入することで苦労をかけずに自宅に届けてもらえます。

ユーザー層については50代以降の男性が多い傾向にあり、おそらく古参のリピーターが含まれていると推測できます。

楽天ペイをはじめとしたさまざまな決済サービスを利用できる点も、ビックカメラ.comの強みといえるでしょう。

 

ヤマダモール

ヤマダモールはヤマダ電機が運営するECモールであり、こちらは家電量販店のモールには珍しくテナント型になります。

かつては自社運営型のモールでしたが、多種多様な商品をそろえるためにテナント型になったと考えられます。

2010年にサービスが始まったヤマダモールは、現在500万人程度の会員数を誇ります。

※こちらの会員数はネット会員数のため、ヤマダモールの利用者数ではありません。

 

ヤマダモールで購入した商品は自宅での受け取りはもちろん、実店舗に設置されているロッカーでも受け取ることができます。

また、近年では実店舗の駐車場で受け取れる「カーブサイドピックアップ」などの新サービスが始まりました。

会社帰りや学校帰りなど、少し立ち寄って購入した商品を受け取れる点はありがたいですね。

 

楽天の歴史

楽天グループの創業は1997年であり、創業と同時に楽天市場が誕生しました。

この時代のインターネットは今ほど信頼されるようなものではなく、通販を行う人はほとんどいなかったのです。

しかし、楽天は今後インターネットが普及すると期待して、誰でも簡単に店を開けるようにしたいというコンセプトを掲げました。

創業当時は従業員6人、サーバー1台、13店舗だったものが、今では先述の通り巨大なモールとなったのです。

2000年になると株式を公開し、上場によって得た資金によるM&Aなどを繰り返し、認知度を大きく向上させました。

また、M&Aによって事業が多角化したことをきっかけに、今のようなグループを形成しています。

2001年(創業後4~5年程度)で、流通総額で月約30億円、年換算で約360億円規模になりました。

将来性やこれまでの推移を参考にして、楽天市場は「グループ流通総額1兆円構想」を発表したのです。

2002年になると楽天市場の出店店舗数は6,000店舗に増え、楽天ポイントなど事業を超えたシナジーも発揮しています。

2004年には日本のプロ野球界において50年ぶりとなる新規球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」を発足。

2008年には台湾に対してサービスを開始するなど、EC事業で初の海外展開を成功させました。

かつて掲げた「グループ流通総額1兆円構想」ですが、こちらは2011年に達成しています。

創業14年目で楽天市場の出店店舗数が38,000店舗になったことも要因であり、信頼と実績を積み重ねた結果といえます。

2014年に東北楽天ゴールデンイーグルスが日本一に輝いたのと同時に、東証一部に上場。

その結果、さまざまなユーザーの目に留まることとなり、今までよりも多くのユーザーが利用するようになったと推測できます。

このように、楽天市場の成長は先見の明と掲げた目標を実現するためのアクションにより、ここまで成長できたといえます。

 

楽天市場が選ばれる理由

では、なぜ多くのユーザーが楽天市場を選ぶのでしょうか?

特に、ネットショップを運営する際、多くの経営者が楽天市場を採用する傾向にあります。

多くの企業が楽天市場に出店する理由として、下記が挙げられます。

 

集客力が高い

楽天グループを通して、登録されている楽天ID数は1億以上であり、そのほとんどが楽天市場を利用しています。

2023年の年間国内EC流通総額は6兆円にものぼり、高い集客力に裏付けられた収益が期待できるのです。

下記は楽天市場における、インターネット通販市場におけるシェア率になります。

  • 全体 :28.9%
  • 生活雑貨 :43.2%
  • アパレル :40.5%
  • 食品・生鮮品 :37.5%
  • 健康食品 :33.6%
  • 化粧品 :24.2%
  • 家電製品・パソコン :16.5%

 

また、楽天グループを通して獲得した楽天ポイントを、グループ内で活用できる点も強みといえるでしょう。

楽天トラベルで獲得したポイントを楽天市場で使用するなど、その応用力は多岐にわたります。

これらの強みにより、楽天市場では高い集客力を獲得するに至ったと考えられます。

 

参考ページ:楽天グループホームページ「楽天市場が選ばれる理由、強み」

https://www.rakuten.co.jp/ec/detail/)

 

出典元:株式会社富士経済「通販・コマース ビジネスの実態と今後2024」

 

サポートが充実している

ECモールに出店する際、何をどのようにすれば良いかが分からないものです。

また、出店後売上が伸び悩んだとき、どのような施策が有効なのかが分からないという人が多くいることでしょう。

楽天市場では、1店舗につき1名のECコンサルタントがついてくれるため、さまざまな課題を一緒に解決してくれます。

ECコンサルタントは楽天市場をはじめとしたインターネット通販のスペシャリストであり、パートナーといえる存在です。

知識や経験だけではなく、楽天市場における顧客の購買動向など、データに基づいたアドバイスをしてくれます。

また、コンサルタントだけではなく、自店舗にノウハウを蓄積したい人を対象とした、「楽天大学」も開校しています。

楽天大学には下記のようにさまざまなカリキュラムが用意されているため、必要な講義だけ受けることができます。

  • 月商100万円突破のコツ
  • 販売件数が3倍にアップ!商品ページ改善事例
  • iPhoneで撮る商品写真講座 など

 

サポートを受けるだけではなく、自発的に学習できる環境が用意されている点も、楽天市場の強みといえるでしょう。

 

販促ツールが豊富に取りそろえられている

たとえば、飾り気がない質素な店舗と、商品にあわせたレイアウトが施された店舗の場合、どちらで買い物をしたいでしょうか?

多くの人は後者とこたえると思います。

楽天市場でも同様であり、ただ商品を陳列しているだけではなく、商品の魅力が伝わるようなページ作りが重要です。

楽天市場では無料で利用できる「楽天GOLD」と呼ばれるサービスが用意されており、自店舗独自の構成にすることができます。

HTMLなどを自由に扱えるフリースペースも利用可能であり、商品の魅力を最大限に伝えられるでしょう。

また、新規顧客を獲得したあとにリピーターへ育成するためのツールも、もちろん用意があります。

メルマガ配信やクーポン作成機能、SNSでの販促など、サービス内容は多岐にわたるのです。

なかには有料のサービスもありますが、必要時に購入すれば良いため、ムダな出費を抑えられます。

 

このように、楽天市場にはさまざまな強みがあることから、多くの利用者が集まっていると考えられます。

人が集まるところでビジネスを展開することにより、これまで以上の売上が期待できるでしょう。

楽天市場では店舗に対するサポートも充実しているため、新規参入もしやすいといえます。

 

まとめ|楽天市場には歴史に裏付けられた強みがある

こちらの記事では、楽天市場の市場規模について、ほかのECとの違いや楽天グループのサービスとあわせて解説しました。

楽天市場はグループ全体で5.6兆円の売上を上げている、日本を代表する巨大モールです。

AmazonやYahoo!ショッピングといったその他のモールもありますが、楽天市場には下記のような強みがあります。

  • 集客力が高い
  • サポートが充実している
  • 販促ツールが豊富に取りそろえられている

 

これらのツール・サービスを最大限に利用して、これまで以上の売上を獲得しましょう。

楽天市場で高い成果を獲得できる背景には、長年の経営で培った実績と信頼があるからといっても過言ではありません。