パートナー招待から権限設定までTikTok Shop徹底解説

TikTok Shopは、動画を通じて商品を直接販売できる新しいECプラットフォームです。

魅力的な販売機会がある一方で、アカウントの種類や管理設定が複雑で、初期段階でつまずく企業も少なくありません。

安全かつ効率的に運用するためには、Business Centerの仕組みやメンバー管理を正しく理解することが欠かせません。

こちらの記事では、TikTok Shopアカウントの作成から管理までについて解説します。

 

TikTok Shopアカウントとは?

TikTok Shopアカウントは、TikTok上で商品を販売するために必要な公式アカウントです。

アカウントを取得することで、商品の出品、ライブ配信販売、広告運用などが行えます。

アカウントには個人事業者や法人が利用できる種類があり、用途に応じた権限設定が可能です。

また、TikTokのBusiness Centerと連携させることで、複数のメンバーや代理店を安全に管理できます。

 

関連ページ:当社コラムページ「TikTok Shopセラーセンター活用術┃初心者から成長へ 」

 

アカウントの種類と役割

TikTok Shopのアカウントは大きく3種類に分かれます。

販売者が管理する出店者アカウント、運用を支援するパートナー(代理店)アカウント、そして実務担当者を追加するメンバーアカウントです。

代理店に運用を依頼する場合、出店者側がBusiness Centerを通じてパートナーにアクセス権を付与します。

この仕組みにより、代理店は限定された範囲でのみ操作でき、アカウントの所有権を移す必要はありません。

このような設計により、外部パートナーへ情報を開示してもセキュリティリスクを最小限に抑えられます。

 

Business Centerの基本機能

Business Centerは、TikTok Shopの運営を統合的に管理するための公式ツールです。

ここでは複数のアカウントをまとめて管理でき、メンバーや代理店の追加・権限設定を行えます。

また、広告キャンペーンや販売データの共有も可能で、チーム全体のパフォーマンスを可視化します。

たとえば、代理店に「広告運用のみ許可」「商品登録は不可」といった細かな設定を行うことができ、操作権限を厳密にコントロールできます。

この仕組みが、外部委託時の不正操作を防ぎ、安全な共同運用を実現しています。

 

アカウント作成・出店準備のステップ

TikTok Shopを安全かつスムーズに運用するには、正しい手順でアカウントを開設し、Business Centerに連携させる必要があります。

こちらでは、登録から代理店招待、出店準備までの流れを解説します。

 

アカウント登録と認証の手順

まずはTikTok Shop公式サイト で出店者アカウントを作成します。

登録時には、法人または個人事業の情報、事業カテゴリ、銀行口座、身分証明書の提出が必要です。

審査を通過すると、商品登録や販売設定を行えるようになります。

登録後は、販売者情報や返品ポリシーなどを正確に入力しておくことが大切です。

TikTok Shopでは透明性が重視されており、不十分な情報は審査の遅延や販売制限につながる場合があります。

初期設定の段階で正確なデータを登録しておくと、後の運用がスムーズになります。

 

Business Centerへのパートナー招待

代理店に運用を依頼する際は、Business Center内で「パートナー招待」機能を使います。

招待方法はシンプルで、管理画面の[パートナーの追加]から相手のBusiness Center IDを入力し、権限レベルを設定します。

選択できる権限は「閲覧のみ」「編集可」「運用可」など複数あり、依頼内容に応じて適切に割り当てます。

この機能を活用すれば、アカウント情報を直接共有する必要がなく、代理店は安全な範囲で運用に参加できます。

パスワードの共有や非公式ツールでのアクセスは避け、必ず公式のBusiness Center経由で招待しましょう。

公式手順に従うことで、TikTokの利用規約に準拠しつつ、データ漏えいのリスクを抑えられます。

 

出店準備で押さえておくポイント

アカウント開設後は、販売に向けた基礎設定を整えることが重要です。

以下にて、出店準備で押さえておくべきポイントをご紹介します。

 

商品情報の登録

商品名・説明・価格・在庫数を明確にし、禁止商品リストに該当しないかをチェックします。

 

配送・返品体制の整備

配送業者や対応地域を設定し、ユーザーにわかりやすいルールを提示します。

 

顧客対応フローの確立

問い合わせ対応やレビュー管理の体制を整え、信頼性を高めましょう。

 

特に、ガイドライン違反や誤った商品情報の登録はアカウント停止につながるため注意が必要です。

代理店に依頼する前の段階で、これらの要素を整理しておくことで、安全かつ効率的な出店が実現します。

 

運用時のアカウント管理と安全対策

TikTok Shopの運用が軌道に乗ると、社内外で複数メンバーが関わるケースが増えていきます。

以下にて、運用時のアカウント管理と安全対策について解説します。

 

メンバー権限とアクセス管理

Business Centerでは、メンバーごとに異なる操作権限を付与できます。

「閲覧のみ」「運用可能」「広告管理可能」など、役割に応じたレベル設定を行うことで、誤操作や不正アクセスを防止できます。

たとえば、商品登録を担当するスタッフには「商品管理のみ」、広告運用担当には「キャンペーン設定のみ」を許可するなど、範囲を明確にすることが大切です。

不要な権限を残すと、データ改ざんや誤操作のリスクが高まるため、定期的な見直しも欠かせません。

また、セキュリティを強化するために二段階認証を有効化しましょう。

新しい端末やIPアドレスからのログインを検知した場合に警告が届くため、第三者による不正アクセスを未然に防ぐことが可能です。

 

連携パートナーとの安全運用

代理店や外部クリエイターと連携する際は、必ずBusiness Center経由で正式にパートナー登録を行います。

メールアドレスの共有やパスワード送信といった非公式な方法は、TikTokの利用規約違反にあたる場合があるため避けましょう。

パートナー登録を行うと、出店者は各パートナーの操作履歴を確認でき、万が一のトラブルにも迅速に対応できます。

また、契約書上で「操作範囲」「成果報酬条件」「データ取り扱い責任」を明確に定めておくとより安全です。

特に、TikTok Shop公式パートナーに認定されている代理店は、TikTok社の審査を経ているため信頼性が高く、セキュリティポリシーも整備されています。

初めて外部に運用を任せる場合は、公式認定パートナーを選ぶことをおすすめします。

 

関連ページ:当社コラムページ「TikTok Shop運営を依頼する代理店の選び方 」

 

アカウントトラブルへの備え

どれだけ慎重に運用していても、アカウントトラブルは発生する可能性があります。

代表的なケースとしては、「誤った権限削除による操作停止」や「不正ログインによる情報改ざん」などが挙げられます。

こうした事態に備え、バックアップ体制と運用履歴の定期確認を徹底しましょう。

Business Centerの「操作履歴」では、いつ・誰が・何を行ったかを確認できます。

異常な操作があれば即座に権限を一時停止し、サポートセンターへ報告します。

また、複数メンバーで運用している場合は、共有スプレッドシートなどで「誰が何を担当しているか」を記録し、情報の属人化を防ぎましょう。

 

まとめ

こちらの記事では、TikTok Shopアカウントの作成から運用、安全対策までを解説しました。

アカウントの種類やBusiness Centerの機能を理解し、正しい権限管理を行うことが成功の鍵です。

パートナーや代理店との連携を適切に行い、トラブルに備えることで、安全かつ効率的な運用が可能になります。

前提として、パートナーや代理店を選ぶ際は、実績や信頼性を入念に確認し、契約前には契約書の細部まで必ず目を通すことが重要です。

まずは一歩を踏み出し、計画的な出店と運用で売上拡大を目指しましょう。

平野涼介

この記事の著者

平野涼介

この記事の著者

平野涼介
ECコンサルタント:マネージャー

インフルエンサーマーケティング事業の責任者としてPRやマーケティングに従事。その後、自社商品の1からの販促を担当しインフルエンサーPRを通して大ヒット。

自社商品をECモール出店に切り出し各モールで数々の賞を獲得。

自社商品の運営で得た実績とノウハウを生かしEC SUPPORTERZを立ち上げ、主にECモールのコンサルティングを通してECの企業様をサポート中。

全体戦略設計力と売りに繋がる施策実行力が強み。