この記事の著者
阿部 里菜
事業統括責任者
TikTok運用代行事業においてコンサルタントとして数多くの事業者を支援し、ブランド構築から売上創出までを一貫してプロデュース。
その後、メーカー事業における広告・マーケティング領域を統括し、事業成長を牽引する実務責任者として従事。
さらに経営企画部門にて新規事業の立ち上げおよび事業設計を経験し、戦略策定から実行フェーズまでを横断的に担う。
現在は、Japan Live Entertainment 事業統括責任者として、ライブコマースを軸とした新たな販売・マーケティングモデルの構築と、事業者支援を推進している。
ライブコマースでは、配信内容や商品力と同じくらい集客設計が成果を左右し、視聴者が集まらなければ双方向コミュニケーションや商品訴求の効果は発揮されません。
近年はTikTokを中心に、集客に成功するライブ配信と伸び悩む配信の差が明確になっています。
こちらの記事では、ライブコマースにおける集客の考え方と実践ポイントについて解説します。
ライブコマースの集客について

ライブコマースにおける集客は、単に配信を開始するだけでは成立しません。
こちらでは、集客の重要性と仕組みを整理し、EC集客との違いを明確にします。
集客が重要な理由
ライブコマースは視聴者が集まることで初めて価値を得られるものであり、視聴者数が少ない状態では商品訴求や双方向コミュニケーションの効果が限定されます。
そのため、ライブコマースを実施する際は配信内容の質と同時に、視聴者の集客設計が欠かせません。
集客は、売上だけでなく配信の活性度にも影響します。
一見、購入意図がないユーザーを集めても売上は得られないと考える人が多いと思います。
しかし、明確なターゲットを選定し、ターゲットが使用しているプラットフォームを採用することで、視聴者数を増やすことができます。
ここで重要となるのがプラットフォーム選びであり、実はプラットフォームごとに異なる特徴を持っています。
現在、ライブコマースで使われることが多いプラットフォームとして、YouTube・TikTok・Instagramが挙げられます。
普段から使用しているSNSには、下記のようなユーザーの特徴があります。
| 項目 |
YouTube |
TikTok |
Instagram |
| 主な年齢層 |
10代〜50代以上まで幅広い |
10代〜30代前半が中心 |
20代〜40代が中心 |
| 男女比 |
ほぼ均等 |
やや女性比率が高い |
女性比率が高い |
| 利用動機 |
情報収集・学習・娯楽 |
暇つぶし・発見・トレンド消費 |
共感・ライフスタイル共有 |
たとえば、50代向けの商品をTikTokでライブ配信をしても、期待しているような売上を獲得できないことがあります。
ターゲットごとに適切なプラットフォームを使用することで、まず集客率が向上します。
興味を持って参加したユーザーはコメントやリアクションをしてくれ、これらが増えることで配信全体の雰囲気が向上し、結果として視聴者の滞在時間が延びやすくなります。
上記より、集客はライブコマースの成果を左右する前提条件といえるでしょう。
視聴者が集まる仕組み
ライブ配信には、通常配信される動画とは異なり、「リアルタイム性」という特有の魅力があります。
今この瞬間に配信している動画を視聴し、今この瞬間しか見られない体験が視聴行動を促します。
また、ライブコマースではさらに、コメント機能による双方向コミュニケーションが参加意識を高めます。
視聴者は配信者や他の視聴者と交流することで場に留まりやすくなり、この参加体験が集客を継続的に生み出す要因になります。
事前告知や通知機能を活用することで、視聴開始のハードルも下がります。
このように、ライブコマースの視聴者が集まる仕組みは、配信前から始まっているといえるでしょう。
EC集客との違い
従来のECサイト集客は検索や広告流入が中心でしたが、ライブコマース集客は体験型の接点が軸となります。
視聴者は商品を探して訪れるのではなく配信体験に引き寄せられるため、集客導線の設計思想が異なります。
たとえば、TikTokでは意図して検索する人がいますが、まずは開いた直後に現れるおすすめ動画の視聴が挙げられます。
こちらは最新動画や視聴者との関連性が高い動画などが表示される項目で、多くのユーザーに認知されるきっかけとなります。
一方、多くのユーザーは動画が始まってから1~3秒程度で興味の有無を判断するといわれています。
そのため、告知動画を作成する際も、短時間で興味を引く工夫が求められます。
このように、ライブコマースでは共感や期待感が視聴行動を生みます。
とはいえ、従来のEコマースと切り離す必要はなく、ECサイトの集客と併用することで、相乗効果を高めることが可能です。
集客成功が期待される理由

ライブコマースが集客手法として注目されるのは、従来のECや配信施策にはない強みがあるためです。
こちらでは、なぜ集客成果が期待できるのかを構造的に整理します。
リアルタイム性の強み
先述の通り、ライブコマース最大の特長はリアルタイム性にあります。
有名人やインフルエンサーの生配信は、視聴者に対して「今しか見られない体験」として認識されやすくなります。
この限定感が視聴行動を後押しし、録画動画や記事コンテンツと比べて参加の緊急性が高まります。
また、視聴者は見逃したくないという心理から配信時間に合わせて集まり、結果として短時間で一定数の視聴者を集めやすくなります。
このように、視聴者の心理を利用した集客のきっかけを作りやすい点は、ライブ配信特有の魅力といえるでしょう。
視聴者参加型の効果
ライブコマースは、視聴者参加型の設計と相性が良い手法です。
コメントやリアクションが配信内容に反映されます。
視聴者は自分の行動が配信に影響すると感じやすくなります。
この参加感が、離脱を防ぐ要因になります。
参加している視聴者の反応は、他の視聴者にも影響します。
コメントが活発な配信ほど、新規視聴者が入りやすくなります。
双方向コミュニケーションは、集客を拡張する役割も担います。
成功事例が増える背景
近年、配信環境と視聴者意識の変化もあいまって、ライブコマースの成功事例が増加しています。
スマートフォンでの視聴が一般化し、ライブ配信への抵抗感が薄れました。
中国やアメリカをはじめとした海外諸国ではライブ配信経由での購入は、日本よりも日常に溶け込んでいるようです。
また、多くの企業が実施したことにより、さまざまな企業やEC事業者の運用ノウハウが蓄積されています。
Webサイトやコンサル企業のホワイトペーパーなどで成功事例が共有され、集客設計の再現性が高まっています。
上記以外にも、SNSやECサイトとの連携も進んでいます。
実際に、TikTokは自社EC機能である「TikTok Shop」を2025年にローンチしました。
YouTubeの場合はYouTube ショッピング機能が搭載されています。
上記より、ライブ配信ができるプラットフォームでは、EC機能は常設される機能となりつつあります。
これらの要因が重なり、集客成果が出やすい環境が整っています。
効果的な集客方法

ライブコマースで安定した集客を実現するには、配信単体ではなく前後の設計が重要です。
こちらでは、実践しやすく再現性のある集客方法を整理します。
事前告知のポイント
ライブ配信に関する集客の成否は、配信前の告知で大きく左右されます。
告知は配信開始直前だけでなく複数回に分けて行うことが重要であり、配信日時や内容、視聴メリットを明確に伝える必要があります。
とくに、視聴者が得られる情報や体験を具体化することが効果的であり、商品紹介だけでなく限定情報や特典の有無を示すと関心を引きやすくなります。
より高い集客の成果を得るためには、告知文は短く要点をまとめて視認性を高めることが重要です。
テレビCMでも15秒から30秒が一般的ですが、TikTokの台頭により短時間で伝わりやすい動画が好まれるようになったと考えられます。
そのため、動画を用いて集客する際は、短尺の動画を作成しましょう。
作成した動画はSNS投稿やストーリー機能を活用し、接触回数を増やすことも有効です。
配信前日、当日、直前と段階的に告知する設計が望ましいでしょう。
インフルエンサー活用
インフルエンサーの活用は、集客を加速させる手段のひとつです。
すでに多くの視聴者と信頼関係を築いているインフルエンサーは、そのユーザーに対して情報を伝えられる点が大きな強みです。
いわゆるファンと呼ばれる存在に近いものであり、インフルエンサーにポジティブな印象を持っていることがほとんどでしょう。
このような特徴を持つインフルエンサーが出演、または告知に関与することで注目度が高まります。
起用時には広告的な演出を抑え、自然な紹介形式を取ることが重要です。
広告色が薄い動画や画像を用いることで、視聴者は推薦という文脈で情報を受け取り、結果として参加ハードルが下がりやすくなります。
商品やブランドとの親和性を重視して選定することが欠かせません。
短期的な集客だけでなく、中長期的なファン獲得も視野に入れます。
複数チャネル連携
ライブコマース集客ではSNSやECサイト、メール、LINEなどを組み合わせた設計が効果的であり、単一チャネルへの依存は避けるべきです。
たとえば、ECサイトに配信告知を掲載することで既存顧客に訴求でき、SNSでは拡散力を活かすことが挙げられます。
また、LINEやメールは確実に情報を届けたい層に有効です。
このように、各チャネルの役割を整理して連動させることで、新規視聴者との接点を作ることが重要です。
配信後のアーカイブ視聴導線も設計しておくと効果が高まります。
複数チャネルを連携させることで、安定した集客基盤を構築できます。
集客が伸びない原因

ライブコマースで集客が伸び悩む場合、配信そのものではなく設計や運用に原因があるケースが多く見られます。
こちらでは、よくある課題を整理し、改善のヒントを示します。
視聴者が集まらない例
集客が伸びない配信には、共通した特徴があります。
事前告知が不十分なまま配信を開始しているケースが挙げられ、こちらは配信日時や内容が視聴者に十分伝わっていないと、参加は期待できません。
日常生活においても、イベント日やセールの日がわからなかった場合、そもそも店舗や会場に足を運ばないため、集客および売上が期待できません。
また、配信時間がターゲット層の行動時間と合っておらず視聴者視点での参加しやすさが欠けていると、集客は停滞します。
ライブ配信は視聴者が自分の意思で配信に参加するため、最適なプラットフォームや集客方法で告知をしなければなりません。
そのため、視聴者が集まらないと感じたときは、参加している視聴者の性質や特性などを理解する必要があります。
配信内容の課題
配信内容が視聴者ニーズと合致していない場合、集客は定着しません。
商品説明のみで構成された配信は視聴者が知りたい情報や疑問に触れていないことが原因となり、関心を維持しにくくなります。
また、テーマや構成が曖昧な配信も途中離脱を招くため、配信ごとに目的や伝える内容を明確にする必要があります。
集客を始める前に、視聴者はどのようなポイントに価値を感じるのか、どのような配信をすれば集まってくれるのかを整理することが重要です。
運用設計の問題
集客が安定しない背景には、運用設計の問題があります。
単発配信を繰り返すだけでは視聴者は定着せず、継続的な配信スケジュールがないと習慣化が生まれにくくなります。
また、配信結果を振り返らず改善につなげていないケースも見られます。
データを活用しない運用は、同じ課題を繰り返す要因になります。
Webマーケティングでは運用前後の成果を確認し、成功・失敗要因を考慮しつつ、次に活かせる施策を検討します。
ライブ配信の集客も同様で、A案が失敗したら次はB案を試すなど、継続したトライアンドエラーを繰り返すことで、集客力を高められます。
上記より、集客を伸ばすには、設計と改善の両立が欠かせないことがお分かりいただけたと思います。
集客を伸ばす考え方

ライブコマースの集客を安定的に伸ばすためには、短期的な施策だけでなく中長期視点が欠かせません。
こちらでは、継続的な成果につなげるための考え方を整理します。
継続配信の重要性
ライブコマース集客は、継続配信によって効果が高まります。
定期的な配信は視聴者の行動を習慣化させる要因になるほか、配信日時が固定されることで視聴者は参加しやすくなります。
また、継続配信により、配信内容の改善点も明確になります。
回数を重ねることで視聴者との関係性が深まり、結果として集客の再現性が高まります。
そもそも、ライブコマースは単発で完了する施策ではなく、中~長期的な運用を前提として設計する視点が重要です。
データ活用の視点
集客を伸ばすには、感覚ではなくデータに基づく判断が求められます。
視聴者数や滞在時間、コメント数などを定期的に確認し、数値を比較することで改善点が見えてきます。
どの告知チャネルが効果的かを把握することも重要ではありますが、回数が少ないとデータが少ないため、まずはデータを蓄積し、次回配信に反映させる流れを作りましょう。
はじめは成果が見えづらくても、小さな改善と継続の積み重ねが、集客力の向上につながります。
コンサル活用の考え方
ライブコマース集客は戦略設計が成果を左右しますが、自社だけでの改善に限界を感じることもあるでしょう。
何をやっても成果が出ない、売上が伸び悩んでいるときは、コンサルの活用を検討しましょう。
コンサルは第三者視点で分析するため、感情・関係値のバイアスにとらわれずに課題を客観的に整理してくれます。
集客設計から運用改善まで一貫した支援を受けられ、ノウハウを仕組み化することで属人化の回避にもつながります。
また、コンサルのなかには一部業務を代行するサービスを提供しているところがあるため、社内リソースの確保にも貢献してくれることもあります。
安定した集客基盤を構築する手段として検討価値があります。
まとめ

こちらの記事では、ライブコマースにおける集客の考え方と実践ポイントについて解説しました。
集客は、商品や配信内容以前に成果を左右する重要な要素です。
視聴者が集まる設計を行うことで、配信の価値は大きく高まります。
継続的な改善とデータ活用が、安定した成果につながります。
運用や集客設計に課題を感じる場合は、コンサルの活用も選択肢となります。
適切な戦略のもとで、ライブコマース集客を成長につなげていきましょう。