ライブコマースで成果を出す話し方のコツ

阿部 里菜

この記事の著者

阿部 里菜

この記事の著者

阿部 里菜
事業統括責任者

TikTok運用代行事業においてコンサルタントとして数多くの事業者を支援し、ブランド構築から売上創出までを一貫してプロデュース。
その後、メーカー事業における広告・マーケティング領域を統括し、事業成長を牽引する実務責任者として従事。

さらに経営企画部門にて新規事業の立ち上げおよび事業設計を経験し、戦略策定から実行フェーズまでを横断的に担う。

現在は、Japan Live Entertainment 事業統括責任者として、ライブコマースを軸とした新たな販売・マーケティングモデルの構築と、事業者支援を推進している。

ライブコマースでは、話し方が視聴者の反応や購買行動に大きく影響します。 同じ商品を紹介していても、伝え方次第で売上や視聴維持率は大きく変わります。 一方で、何を意識して話せばよいか分からず、運用に悩むケースも少なくありません。 こちらの記事では、ライブコマースで成果を出す話し方について解説します。  

ライブ配信における話し方とは

ライブ配信における話し方は通常の接客や動画配信とは異なり、リアルタイム性と双方向性を前提とした話し方が求められます。 日常生活において、対面や電話越しなどで相手と意思疎通を図り、コミュニケーションが成立します。 しかし、配信動画やECなどでは、視聴者に理解してもらう前提で構成を作成してからページを掲載しています。 そのため、人によって理解度が異なり、全員が同じ認識を持つとは限らないのです。 一方、ライブ配信の場合は視聴者が質問を投げかけることができ、理解度の差を最小限に抑えることができます。 ライブコマースにおいては購入の後押しとなるため、ECにおける新たな販売方法として近年注目を集めています。  

話し方が成果に影響する理由

ライブコマースでは視聴者の判断が短時間で行われるため、話し方によって配信を見続けるかどうかが左右されます。 たとえば、冒頭の印象が弱い場合、早期離脱につながりやすくなってしまい、購入に至らなくなります。 また、話し方は商品理解にも影響します。 「えーっと…」や「あのー…」など、思考時間が長くテンポが悪く、情報が整理されていない説明では、魅力が伝わりにくくなります。 結果として、購買意欲が高まることなく動画の視聴を終えるだけではなく、先述した離脱にもつながってしまいます。 さらに、落ち着いた説明や丁寧な言葉選びが安心感を与えるなど、話し方は信頼形成にも関係します。 特に、TikTokはショート動画を配信するプラットフォームであることから、その性質を誤って理解してしまい早口になってしまうことが考えられます。 ショート動画を配信するプラットフォームではあるものの、ライブコマースで重要なのは双方向のコミュニケーションです。 いただいた質問をゆっくりと読み上げ、結論ファーストで端的に伝えることが、ライブコマースの話し方では重要視されます。  

視聴者心理との関係

視聴者は配信中、自分に関係がある内容かどうかを無意識に見極めています。 話し方が一方的になると関心が薄れやすくなるため、問いかけや共感を交えた話し方を心がけることで、参加意識を高めます。 特に、自分が投稿したコメントが読まれた際は、「自分も会話に含まれている」と感じやすくなり、この心理状態が視聴継続につながります。 また、聞き取りやすい話し方はストレスを与えにくいため、安心感も重要な要素です。 投稿者の名前を呼ぶ際に「○○さん、ありがとうございます」とはっきりと伝えることで、「あ、私のコメント、ちゃんと読んでくれているんだ」と安心してくれるでしょう。 このように、ライブ配信は非対面であるからこそ、対面のコミュニケーションよりも相手への気遣いが重要になります。  

成功する話し方の基本

ライブコマースで成果を出すためには、話し方の基本を押さえる必要があります。 ビジネスで用いられる特別な話術よりも、視聴者に配慮した伝え方が重要です。 こちらでは、配信中に意識したい話し方の基本要素を整理します。  

視聴者を意識した話し方

話し方の基本は、常に視聴者を意識することです。 日常のコミュニケーションでも、結論を先に言ったり、起承転結がはっきりしていたりする方が、意図していることが伝わりやすいものです。 ライブコマースでは不特定多数の視聴者に対して同時に情報を伝えることから、誰に向けて話しているのかを明確にすると、言葉選びが変わります。 視聴者の心をつかむためには、視聴者の悩みや関心を想定した話題が重要です。 たとえば、新商品を紹介する場合、従来の機能とは何が違って、実際にどうやって使うのかなどが分からない視聴者が多いと思います。 また、商品単体を見てもわからない、生産背景などを伝えることでも、商品の魅力や理解が深まりやすくなるでしょう。 一方、専門用語を多用すると理解が追い付かない視聴者がいると考えられるため、分かりやすい表現に置き換えて発言しましょう。 一見細かい配慮に見えますが、これらの配慮が視聴者との距離を縮める役割を果たします。 さらに、問いかけを交えた話し方を心がけることで、一方通行を防ぎ、参加意識を高められるでしょう。  

配信中の声量とテンポ

声量とテンポは、配信の印象を大きく左右します。 声が小さすぎると内容が伝わりにくくなり、逆に強すぎる声量は、聞き疲れを招くことがあります。 適切な声量を保つことで、安心感が生まれます。 とあるテレビショッピングでも、ハッキリと聞き取れるものの大きすぎない声量で商品を紹介していたシーンを見たことがあるかもしれません。 心理的には、小さい声は自信のなさや周りの目を気にしすぎており、大きな声は自己肯定感やリーダーシップなどを表す、とされることがあります。 上記では大声のほうがいいと考えられるかもしれませんが、実は大声には強迫観念や商人欲求などが潜んでいるといわれることも。 そのため、声量については大きすぎず適量で、あとは機材との距離や音量調整などで聞き心地が良い音の大きさを保ちましょう。 また、話すスピードにも注意が必要です。 早口は情報過多になって理解を妨げてしまい、遅すぎると「早く話してくれ」と、イライラさせてしまう可能性があります。 心理的な観点では、早口は緊張や不安、せっかちといったネガティブな感情が含まれており、ゆっくりしすぎると退屈に感じさせてしまいます。 そのため、スピードについては早すぎず遅すぎず、最適なテンポを見つける必要があります。 間を意識したテンポは内容整理に役立つため、重要な部分で少し間を取ることで印象に残りやすくなります。 声量とテンポの調整が、視聴継続につながります。 とはいえ、これらについてはライバー本人では気付くことが難しいため、第三者に確認してもらったり、配信練習を録画して自分で気づいたりする必要があります。  

商品説明時の工夫

商品説明では、特徴を羅列するだけでは魅力が伝わりにくいため、話し方に工夫が求められます。 たとえば、どんな人に向いているかや利用シーンなどを、課題解決の文脈で説明することが重要です。 「○○にお困りの方はいらっしゃるのではないでしょうか?」「そこで、今回は○○をご紹介します」「○○を使うことで、○○になれます」「では実際に使ってみたいと思います」といったように伝えることで、視聴者が自分事として捉えやすくなります。 先述の通り、ライブ配信では視聴者を意識した話し方が重要であり、この視点が購買判断を後押しします。 とはいえ、いくら自社商品を良いものだと伝えようとしても、誇張した表現は避ける必要があります。 数値や使用者の声といった事実に基づいた説明が、信頼につながります。 その際にハッキリと聞き取れる丁寧な話し方が、成果を安定させてくれるでしょう。  

よくある話し方の課題

ライブコマースでは、話し方の癖や準備不足が成果を妨げる場合があり、無意識のうちに視聴者との距離を広げているケースも少なくありません。 こちらでは、配信で起こりやすい話し方の課題を整理します。  

一方通行になりやすい例

配信中に多い課題として、一方通行の話し方が挙げられます。 原稿を読むような進行は練習不足と思われたり、原稿に集中してしまうことにより視聴者の反応を拾いにくくなったりします。 目の前のことに集中しすぎるあまり、結果として視聴者の参加意識が低下してしまい、離脱につながってしまうことも。 前提として、ライブ配信は双方のコミュニケーションが重要なため、コメントを確認せずに話し続けると会話が成立しません。 コメントを無視された視聴者は、「自分の存在が認識されていない」「コメントを無視された」と思うだけではなく、「都合が悪いから無視した?」と感じることがあります。 この状態が続くと離脱につながるため、双方向性を意識し、反応を挟みながら進めることが重要です。 どうしても配信中の質問が難しい場合、最後に質問コーナーを設けて伝えると良いでしょう。  

緊張や沈黙への対処

配信時の緊張は多くの人が感じる課題であり、緊張により声が小さくなったり言葉が詰まったりといった問題を引き起こします。 視聴者は配信者をプロ・経験者と捉えることがあるため、不慣れさが伝わる配信は意図が伝わらず、離脱につながります。 また、沈黙が生じると焦りが強くなってしまい、焦りから不要な説明を重ねるケースも見られます。 日常生活では、上司や寡黙な厳しい先輩と二人っきりになったとき、「今日は晴れていますね」といった、不要な発言をしてしまうことが挙げられるのではないでしょうか。 「何とか沈黙を破らなければならない」「でも何を話せばよいかがわからない」といった焦りが、このような不要な発言につながってしまうのです。 これらを解決するためには事前に話す内容を整理しておくことと、何度も練習を積み重ねることが重要です。 どうしても沈黙してしまった場合は商品の予備知識を「ちなみに」として伝えることで、沈黙を破りつつ視聴者に新たな知識を提供できます。 また、沈黙で焦らないためには落ち着いて間を取る意識も重要です。 沈黙を恐れない姿勢が、安定した話し方につながります。  

企業の配信で起こりやすい失敗

企業が実施する配信では情報を正確に伝えようとするあまり、感情が伝わりにくくなり説明が堅くなりやすい傾向があります。 普段からビジネスコミュニケーションを使用している営業担当であれば、「弊社」「御社」といった言葉を使っていることでしょう。 しかし、一般視聴者を相手に配信する場合、少々堅苦しいと思われてしまうことも。 「皆様」を「みなさん」に変えるだけでも、少しやわらかい表現になります。 堅苦しい表現は結果として、視聴者との距離が生まれます。 また、複数人で配信する場合、話す内容が重複したり、間が空いたりすることにより、役割が曖昧になることがあります。 こちらは進行設計の不足が原因になるケースが多く見られるため、事前に入念に設計を確認しておきましょう。  

話し方を改善するコツ

結論として、話し方は生まれ持った才能ではなく、運用の中で練習を積み重ねることで改善できます。 意識すべきポイントを整理することで、安定した配信が行いやすくなります。 こちらでは、ライブコマースで話し方を改善するための具体的なコツを整理します。  

事前準備のポイント

話し方を安定させるためには、配信の流れや話す内容を簡潔に整理しておくなど事前準備が重要です。 しかし、発言をガチガチに固めた台本を作成してしまった場合、感情が表れにくかったり台本から離れた際に焦ってしまったりすることがあります。 そのため、徹底的に作り込んだ文章を用意するのではなく、絶対に伝えるべき要点をベースに作成しましょう。 話す順序が明確になることで言葉に詰まりにくくなるだけではなく、商品説明の要点を整理しておくと安心感が生まれます。 記載情報が最小限のためライバーの心理的負担が少なく、配信品質向上が期待できます。 練習時に台本を用意しておき、要点や注意点などは都度掻き込むことで、配信時に注意を払えます。 また、ライブ配信中は唐突に質問が投げられることがあるため、想定される質問を事前に洗い出すことも重要です。 回答を準備しておくことで対応力が高まるほか、スムーズな質疑応答が実現できるでしょう。 なお、質問についてはひとりで考えても限界があるため、企画部への相談や顧客からの声など、自社リソースの使用がおすすめです。  

配信中の改善意識

配信中は完璧を目指しすぎず、小さな改善点に気づく意識を持つことで、次につながります。 多くの場合、練習で100%だったとしても、一般的には本番で80%程度しか実力を発揮できなかったといわれていますが、正直なところ視聴者は80%の出来だと感じないことがあります。 そもそも、人によって100%の基準が異なるため、完璧を目指しすぎず肩の力を抜いて配信に臨むことが重要です。 とはいえ、コミュニケーションが発生している以上、視聴者の反応を観察しながら質疑応答には全力で応えましょう。 ライブ配信に少し慣れてきたら、状況や反応によって話し方やテンポなどを変えてみましょう。 たとえば、コメントが増えた話題については多くの人が疑問を持っているポイントのため、少し深掘りすることが挙げられます。 この柔軟な対応が配信の質を高める要因となり、結果として多くの視聴者を集め、売上向上にも影響します。  

継続的な練習方法

話し方は一度で身につくものではなく、継続的な練習によって安定感が生まれます。 人によって話し方やしぐさにクセが存在しており、なかには視聴者に不快を与えてしまうものも。 これらをなくすために、練習後や配信後の振り返りを習慣化することが重要です。 録画を確認し、話し方やテンポ、仕草をチェックし課題となった箇所を洗い出しましょう。 ポイントは、すべてを一気に解消するのではなく、改善点をひとつずつ設定し、取り組みやすくすることが挙げられます。 継続した改善点の洗い出しおよび改善行動が、話し方の質を高めます。 また、第三者の視点を取り入れることも有効です。 社内だとどうしても関係値が構築されているため、言いにくいことが言えない、といったことが発生することがあります。 そのような場合、たとえばライブコマースのコンサルを活用することで、改善点が明確になり、ハッキリと伝えてくれます。 コンサルは成果向上のために起用される存在のため、改善点などは積極的に伝えてくれるでしょう。  

事例から学ぶ話し方

実際のライブコマース事例を見ることで、成果につながる話し方の共通点が見えてきます。 個別のテクニックではなく、考え方や運用姿勢に注目することが重要です。 こちらでは、成功事例をもとに話し方のポイントを見ていきましょう。  

成功事例の共通点

成果を出している配信では、視聴者との対話が自然に組み込まれています。 一方的に話す時間が短くコメントへの反応が適切に挟まれており、この構成が、参加意識を高めています。 また、配信ごとに雰囲気が大きく変わらず、話し方に一貫性がある点も特徴です。 視聴者が継続して視聴しやすい状態が作られています。 さらに、信頼関係を構築するために商品説明では誇張表現を一切なくし、事実を丁寧に伝えています。 利用シーンやお客様の声などを具体的に示すことで、視聴者に誠実さを伝えているのです。  

企業配信での応用

企業配信では、個人配信の要素をそのまま参考にするのではなく、自社のブランドや運用体制に合わせた調整が重要です。 複数人が在籍していることから、たとえば進行役と説明役を分けても良いでしょう。 役割を分担することで個人のストレスが軽減され、配信品質の向上が図れます。 また、話し方も、企業としての立場を踏まえて設計しましょう。 金融や証券といった、お金や人生に大きくかかわる要素でカジュアルに崩しすぎると、かえって信頼を損ねてしまい、ネガティブなブランド印象になりかねません。 一方、ファッションや化粧品などで堅苦しい表現をしてしまうと、「お堅いブランド」と思われてしまうため、やはり話し方には注意が必要です。 これらに注意して話し方にもこだわることで、結果として視聴体験の質が向上します。 また、事前に話す内容の方向性を共有することも重要です。 配信担当者間で認識をそろえることで、伝え方に一貫性が生まれます。 運用設計と話し方を連動させることが成功の鍵になります。  

まとめ

こちらの記事では、ライブコマースで成果を出す話し方について解説しました。 ライブコマースでは、話し方が視聴者の理解や信頼に大きく影響します。 特別な話術よりも、視聴者を意識した丁寧なコミュニケーションが重要です。 話し方は、準備と改善を重ねることで誰でも磨くことができます。 運用全体とあわせて見直すことで、成果につながりやすくなります。 話し方や配信運用に課題を感じている場合は、外部の専門視点を取り入れる選択肢もあります。 ライブコマースのコンサルを活用することで、話し方と運用を一体で改善できます。 結果として、再現性の高い成果が期待できます。

お問い合わせ

CONTACT US

ライブコマースの立ち上げや売上改善でお悩みの方へ。
課題やジャンルに応じて、成果につながる最適な施策をご提案します。

お問い合わせ